タイトル争いが期待される今年のレッドブル・ホンダ。ホンダも例年以上に気合いが入っており、ウィンターテスト前半の三日間には、浅木泰昭HRD Sakuraセンター長が日本から駆けつけ、テストの行方を注視していた。テスト前半を終えた段階での手応え、抱負を聞いてみた。
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──3日間を終えて、どんな手応えを得ていますか。
浅木泰昭HRD Sakuraセンター長(以下、浅木センター長):予定通りという感じですね。
──想定通りの数値が出ているのですか?
浅木センター長:まあ、そんなところです。ただ相手がどこまで出してくるかですね。
──2019年は「シーズン終盤、メルセデスに数値的に追い付く」という目標を掲げてやってきたわけですが、いかがでしたか。
浅木センター長:標高の高いサーキットでは達成できたと思ったこともありましたが、平地ではまだまだでした。2020年は同等以上、と行きたいところですが、相手も伸びるでしょうから、同等レベルで戦えればと思っています。
──やはりベンチマークは、依然としてメルセデスですか。
浅木センター長:フェラーリは、パフォーマンスの上下がありますからねえ。目標にしにくい。車体も含めて、パッケージングでもメルセデスが目標になるんじゃないでしょうか。
──現行パワーユニット(PU)になって7年目になりますが、技術開発はもはや重箱の隅をつつくレベルなんでしょうか。
浅木センター長:我々は、まだそこまで行ってませんね。今までやってきた技術コンセプトをやりつくしたら、次を考える必要があるでしょう。まだもうちょっと、伸び代があると思います。
──メルセデスは、その先に行っている?
浅木センター長:かなり近いところに来ているとは思うのですが、追い越してはいません。
──パワーユニットから話が離れますが、メルセデスのステアリングは衝撃でしたか。
浅木センター長:衝撃ですよ。何をやっているんだろうと。あの発想は凄いです。僕らもいろんなアイデアを出すけど、FIAにダメ出しされたり(笑)。そこは正直、政治力もかかわってきます。