セバスチャン・ベッテルが、プレシーズンテストでのFIA記者会見の場をF1からの引退発表に使うのではないかという憶測が一部で持ち上がっていたが、それは見当はずれだったことが明らかになった。ベッテルは、今もF1で走ることへの情熱を失っていないと、再度強調した。
ベッテルは2019年のドライバーズランキングではチームメイトであるシャルル・ルクレールに敗れ、5位に終わった。またフェラーリにはコンストラクターズ選手権において、ライバルのメルセデスに挑戦できるだけの力がなかった。
しかし4度のF1世界チャンピオンであるベッテルは、今もF1への熱意を持っており、再び優勝、そしてタイトルを狙って戦うという決意に揺らぎはないと語った。
「僕は自分のしていることを愛しているし、走ることが大好きだ」とベッテルはバルセロナ・サーキットでの第2回プレシーズンテストの際にメディアに語った。
「先週、マシンに乗り込む時にはとても興奮した。あっという間にリズムを取り戻し、素晴らしい気分だった。マシンに乗って走ることから得られる満足感は、全く変わらない」
「でも僕がここにいるのは、素晴らしい気分を味わうためではなく、勝つためだ」
「チャンピオンシップでタイトルを勝ち取るためにフェラーリに加入したけれど、まだそれを達成していない。この数年、良いレースもあったし、他より優れていることもあった。でも最終的には僕らの望んだような結果にはならなかった」
「そうして数年が経ったわけだけど、ハングリー精神、確かな意志、決意を失ってはいない。自分たちが何を達成したいのかは分かっているし、どこへ進みたいのか、今どこにいるのかも分かっている」
フェラーリとの現行の契約を更新するかどうかは、マシンのパフォーマンスによって判断するのかと聞かれ、ベッテルはやや曖昧な回答をした。
「それは僕が何を信じているか、そしてまた、チームが何を信じているかという部分によるものだ。今の時点ではそれほど重要なことではない。でも重要になるタイミングは来る。そのときに、僕たちは契約の状況を整理していくことになるだろう」
契約の状況がどれだけの重荷になっているかを尋ねられたベッテルは、「当然のことながら、今は他のことでとても忙しい。だから今はゼロだと言っておく。3年前の時ほど負担になってはいないよ」と答えている。
「時間が経てば分かることだ。今すぐに何かが変わることはない」