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F1 ニュース

投稿日: 2020.03.15 11:43
更新日: 2020.03.15 11:53

F1ボス、ハミルトンの「金に支配されている」との批判に反論。オーストラリアGP中止決断までの対応は「適切」と主張

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F1 | F1ボス、ハミルトンの「金に支配されている」との批判に反論。オーストラリアGP中止決断までの対応は「適切」と主張

 F1オーストラリアGPがキャンセルされる前日、ルイス・ハミルトンはイベントがスケジュールどおりに開催されることに鋭い批判を浴びせていた。

 ハミルトンは、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、木曜の時点でオーストラリアGPが中止されていない理由について、「現金が支配しているからだ」という率直な考えを示した。

 レースが行われない場合、F1チームと商業権所有者であるリバティ・メディアは多くの収入を失う。主催者が支払う4500万米ドル(約48億6000万円)のレース開催料や、テレビ放映料、広告、ホスピタリティなどから得られるはずの収入が減ることになるのだ。だが今回のケースは特殊であり、複雑な要因がある。

 主催者がレースをキャンセルする場合、主催者は開催料を失う。F1側からレースをキャンセルする場合、F1が開催料を失う。だが今回のメルボルンでの開幕戦開催中止については、オーストラリアGPコーポレーション、リバティ、FIA、ビクトリア州政府が共同で意志決定を行った。関係者はこれから公平な妥協点を探るために話し合いをすることになるだろう。

 グランプリ中止が正式に発表された金曜日、F1のCEOであるチェイス・キャリーは、ハミルトンの「現金が支配している」という発言に反論した。

2020年F1第1戦オーストラリアGP金曜 F1および主催者が中止に関する記者会見を行う
2020年F1第1戦オーストラリアGP金曜 F1および主催者が中止に関する記者会見を行う

「もし現金が支配しているのであれば、我々はこのような決断を下さなかっただろう」とキャリーは語った。
「後になってから考えると、明らかに物事は違って見える。出来事の進展によって状況は変化するのだ」

「準備のための時間を考慮し、我々はここへ来てレースを開催する決断をした。ここでは大きなイベントが開催されていたからだ」

「世界は異なる状況にあった。状況は日々変化していた。日によっては一時間ごとに変化があった。そんななかで我々は検討を続け、前に進むための適切な決断を下した。正しいタイミングで正しい選択をするために多くの情報を吟味しようとしたし、実際にそうしたと考えている」

 チームにとっての問題は、今年のグランプリ開催数が減れば、収入が大きく落ち込んでしまうことにある。各国への移動や運送のための支出がなくなるのは確かだが、チームはレースが開催されない時期もスタッフに給与を払わなければならない。

「ほとんどのチームでは、月々の支出のなかで賃金が最も大きな割合を占めています」とウイリアムズのチーム副代表を務めるクレア・ウイリアムズは語った。「今後も賃金を払う必要があります」

 メルセデスやフェラーリなどのビッグチームは、給与による支出が特に大きい。数百人の従業員を抱えているうえに、ルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルのようなドライバーが毎年4000万ユーロ(約48億円)以上の報酬を受け取るからだ。

 ドライバーの報酬はレースが中止されても減ることはない。だが彼らは優勝や表彰台獲得の際に支払われるボーナスを得るチャンスは失う。出場していれば上位フィニッシュが予想されるハミルトンとベッテルは、開催数が減れば多額の収入を失うことになるといえるだろう。


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