フェラーリが、イタリアでの市販車およびF1のファクトリーにおいて製造作業を2週間にわたり停止することを決めた。イタリアでは現在、新型コロナウイルスの感染者が急増しており、その影響で部品が不足しつつあるという。
2020年F1開幕戦オーストラリアGP木曜に、マクラーレンのチームスタッフのひとりが新型肺炎の検査で陽性だったことが明らかになり、金曜朝にグランプリの中止が決まった。その日の夜には、バーレーンとベトナムが延期、シーズンは5月末にスタートする見通しであることがF1およびFIAから発表された。
イタリアでは現在、全土で移動を禁止、店舗の閉店などの措置もとられている。当初フェラーリは従業員を守る手段を導入しつつ、市販車およびF1での製造作業を続けていたが、今回、3月27日までの操業停止を発表した。
閉鎖する施設は、マラネロのF1ファクトリーと、モデナ等の市販車ファクトリー。フェラーリは、サプライチェーンに深刻な問題を抱え、製造活動を継続することが不可能になったと説明している。一方、製造以外の活動は継続、従業員はスマートワークで作業を進めるということだ。
イタリアでは、ブレーキメーカーのブレンボが、国内の4つの工場を一時閉鎖すると発表。タイヤメーカー、ピレリは、従業員に感染者が出たことを受け、セッティモ・トリネーゼでの製造縮小を決めた。フィアット・クライスラーとCNHインダストリアルもイタリア国内の生産縮小を行っている。
ロイターによると、フェラーリの従業員には現時点で感染者はいないが、閉鎖期間にファクトリーの消毒を行う予定だという。
工場閉鎖期間も従業員には通常どおり給与が支払われ、有給休暇が使われることなく特別休暇扱いになるということだ。
他F1チームでは、オーストラリアGPのためにメルボルンに行ったスタッフは14日間にわたって出勤させないといった措置がとられているが、ファクトリーでの製造中止を行っているチームは現時点ではフェラーリ以外にはないと考えられている。