3月13日に、セッション開始まで2時間を切るなかで、突然の中止が発表された2020年のオーストラリアGP。しかし、サーキットは15日の日曜日まで関係者とメディアに開放されていた。
筆者は土曜日と日曜日もサーキットを訪れたが、まだ看板などは外されておらず、両日とも複数のファンがサーキットを訪れ、ゲート入口の係員に押し返される光景を見ている。ゲートの外には本来なら、多くのファンたちで盛り上がっているハイネケンのイベント用テントがあったが、こちらは中の設備はすでに撤去されていた。
メディアセンターからコースを見下ろすと、土曜日まであったコンテナが運び出されていた。13日の夜に、FIAが第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPを延期することを発表したことで、行き先がファクトリーへと決定したからだろう。
コンテナが姿を消したコース上を見ていたら、1台のマシンがあることに気がついた。そこで、コースへ行ってみた。すると「ミナルディ」の電動カートの後ろに、2シーターカーを発見。なんと、そこでゲストを2シーターカーに乗せていたのは、元ミナルディのポール・ストッダートではないか。
ストッダートは数年前からオーストラリアGPでゲストを2シーターカーに乗せて走行するイベントを開催しており、今年もアルバートパーク・サーキットで水曜日から2シーターカーを走らせていた。中止が決定した13日も朝の7時すぎからイベントが行われ、これが今年のオーストラリアGPの最後のイベントとなった。
その2日後、ストッダートは2シーターカーを撤去しにサーキットに。撤去する前に、このイベントを手伝ってくれたスタッフたちをコクピットに乗せ、労っていた。その様子を見ていたのは、2日前にチェイス・キャリー(F1会長兼CEO)らととともに、中止に関する会見を行った、オーストラリアGPコーポレーションCEOのアンドリュー・ウェスタコット。
「彼らとともに、電動カートレースをこれから行うんだ」(ウェスタコット)
よく見ると、ホームストレートのグリッド上に、電動カートが並べられているではないか。レースで電動カートのドライバー役となる13人のスタッフが勢揃いしたところで、グリッドポジションを決めるくじ引きが行われ、最初に引いたスタッフが見事ポールポジションを引き当てた。
スターティングポジションが決定したところで、開幕戦恒例のドライバーたちの集合写真撮影もきちんと行われた。こちらにはレースのドライバー役だけでなく、同乗者も含め、全員が集結。その数はF1ドライバーち同じ20名だった!!