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F1 ニュース

投稿日: 2020.03.23 12:30
更新日: 2020.03.25 15:44

F1 Topic:早朝に帰国したドライバーも。チームの許可はいつ出ていた?/いまだ残る5つの疑問(1)

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F1 | F1 Topic:早朝に帰国したドライバーも。チームの許可はいつ出ていた?/いまだ残る5つの疑問(1)

 オーストラリアGPが中止となってから、1週間が過ぎた。中止決定後には第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPも延期され、その後、第5戦オランダGPから第7戦モナコGPまでの3戦も延期または中止が決定した。

 つまり、2020年のF1は3月13日に中止のアナウンスが行われて以降、時計の針は止まったままの状態となっている。そして、オーストラリアGPが中止になったときに、私たちが抱いた疑問も放置されたままとなっている。

 いまだに残る疑問とは、以下の通りだ。

【疑問1】マクラーレンのスタッフはどこで感染したのか?

 今回のオーストラリアGP中止の大きな要因となったのが、マクラーレンのスタッフが新型コロナウイルスの検査の結果、陽性となったことだった。このスタッフは、いったいどこで感染したのだろうか。

 マクラーレンのスタッフが体調を崩し、検査を受けたのは11日(水)。この新型コロナウイルス感染症は、感染してから発症するまで約5日以内だとアメリカ内科学会誌で発表されていることを考えると、体調を崩した11日の数日前に感染したことになる。つまり、オーストラリア入国後にどこかで感染したというのが、考えられる1つの可能性だ。

 ただし、グランプリ開幕直前のオーストラリアでの感染者数は150人にも達していなかった。逆に、その時期に感染者数が急増していたのがヨーロッパだったことを考えると、マクラーレンのスタッフがオーストラリアで感染したと考えるよりも、出発前のイギリスですでに感染していたか、あるいは経由地(おそらく中東)でヨーロッパの各地からの乗客を乗せたメルボルン行きの飛行機の中で感染した可能性のほうが高いのではないか。

 また潜伏期間が最長で14日程度とも言われていることを考えると、プレシーズンテストで感染していたことも考えられる。そうなると、第3、第4の感染者がF1界に発生しても不思議はない。

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立ち入りが禁止されたマクラーレンF1のホスピタリティエリア

【疑問2】なぜベッテルとライコネンは帰国したのか?

 FIAがオーストラリアGPの中止を正式に発表する前に、多くのメディアが「セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とキミ・ライコネン(アルファロメオ)がヨーロッパへの帰国の途に就いた」と報じた。2人は、なぜメルボルンを後にしたのか。

 この2人の帰国がクローズアップされたのは、2人がともにチャンピオン経験者というだけではない。2人はともに前日の記者会見で、このような状況の中でオーストラリアGPの開催を強行することに否定的なコメントを発していたからだ。

「レースを開催するかどうかの決定を行うのは、僕たちドライバーではないが、万が一の場合は“ハンドブレーキ”を引くこともある」(ベッテル)

「僕たちがここにいるのは、正しいかどうかはわからない。たぶん、正しくないだろう」(ライコネン)

 フェラーリには確認がとれなかったが、ライコネンが所属するアルファロメオのチームマネージャーを務めるベアト・ツェンダーは、ライコネンが早朝に帰国したのは「我々は開催に反対しており、決定がどうなろうと走らないことになっていたから、ドライバーを帰したまでだ」と、ライコネンが勝手に帰ったのではなく、チームの了解を得て帰国の途についたと教えてくれた。

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メルセデスF1のスポーティングディレクターを務めるロン・メドウ

 これはメルセデスの2人も同じで、スポーティングディレクターのロン・メドウは「チーム代表者会議の結果、我々は13日未明の段階でオーストラリアGPに出場しないことを決定しており、そのうえでドライバーに帰国の許可を出した」と語っている。

 つまり、もしFIAとF1、そして主催者が強行開催していたとしても、少なくとも4人が欠場する中で開幕するしかなかった。

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中止発表前に帰国の途に就いたと報道されたベッテル(左)。フェラーリは未確認だが、メルセデスはチームが帰国を許可していた

(2)に続く


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