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F1 ニュース

投稿日: 2020.03.25 16:25
更新日: 2020.03.25 16:26

F1 Topic:シーズン開幕は7月? 選手権は全15戦の可能性も/いまだ残る5つの疑問(2)

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F1 | F1 Topic:シーズン開幕は7月? 選手権は全15戦の可能性も/いまだ残る5つの疑問(2)

 オーストラリアGPが中止となってから、2週間が過ぎた。中止決定後には第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPも延期され、その後、第5戦オランダGPから第8戦アゼルバイジャンGPまでの4戦も延期または中止が決定した。

 つまり、2020年のF1は3月13日に中止のアナウンスが行われて以降、時計の針は止まったままの状態となっている。そして、オーストラリアGPが中止になったときに、私たちが抱いた疑問も放置されたままとなっている。

 いまだに残る疑問とは、以下の通りだ。
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【疑問3】もしメルセデスが反対票を投じなければ開催はできたのか?

 木曜日の夜に開かれたチーム代表者ミーティングでは、オーストラリアGPを開催するかどうかについて、チームの意見は3つに分かれた。反対票を投じたのはフェラーリ、アルファロメオ、ルノーの3チーム。レッドブル、アルファタウリ、レーシングポイント、そしてメルセデスは開催に賛成票を投じた。ハースとウイリアムズは投票を棄権。この結果、反対と賛成は4対4の同数となり、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンの判断に委ねられることになった。

 スポーティングレギュレーションの第5条7項には「競技会は、参加車両が12台(つまり6チーム)に満たない場合には中止することができる」とある。このレギュレーションは中止するための条件のひとつで、たとえ12台に満たない場合であっても、FIAとF1が開催したければ、開催は可能だった。

 そこでブラウンは、とりあえず金曜日のセッションを行い、その後再び検討するプランを提案したと言われている。しかしその後、メルセデスが翻意し、反対の立場をとるチームが賛成派を上回ったため、強引に開催することを断念した。だが、まだレギュレーション的には前述のように開催はできた。

 それでも、開催中止という発表はいっこうに出されなかった。一説には、FIAとF1、そして参加を希望していた数チームが、パドックにレース関係者以外を入れないという感染予防策を講じたうえで、グランプリをなんとか開催しようとしていたからだと伝えられている。

 では、そのようなことは可能だったのか。結論から言えば、不可能だった。なぜなら、金曜日の朝、ピレリは従業員にホテル待機を命じていたからだ。さらにその後、ピレリのスタッフからも陽性の感染者が出た。つまり、あのままオーストラリアGPが開催していれば、パドックはクラスター(小規模な患者の集団)になる可能性があった。そして、それは直前で回避された。

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立入禁止になったピレリのホスピタリティエリア

【疑問4】なぜモナコGPは延期ではなく、中止となったのか?

 まず、日程的に厳しいことが考えられる。モナコGPはF1が開始される前の1929年から開催されている伝統の一戦で、ル・マン24時間、インディ500と並んで世界三大レースのひとつにもなっている。5月の『昇天日』という祝日の週に開催されることが慣例となっていて、2020年は5月21日が昇天日となっており、第4週が予定されていた。したがって、延期となれば、伝統を破ることになる。

 また現時点で延期される可能性が高い時期は8月の夏休みあたりとなるが、その時期に1500人以上のボランティアを確保することは現実的ではない。また19日にモナコ公国の元首、アルベール2世公が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことも大きな影響を与えた可能性が高い。

 さらに、とりあえず延期となっているほかのグランプリと、モナコGPが決定的に異なるのは、モナコGPは開催権料をFIAとF1側にいっさい支払っていない唯一のグランプリということだ。つまり、ほかのグランプリが中止になると、開催権料が入ってこずにF1界の収入が目減りするのだが、モナコGPにはそれは当てはまらないため、すんなり中止を受け入れることができたわけだ。

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F1モナコGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
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F1モナコGP


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