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投稿日: 2020.04.11 08:00
更新日: 2020.04.15 09:59

世界から集まった未来のF1を支える若き才能にも新型コロナの影/木村のF1英国留学日記

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Blog | 世界から集まった未来のF1を支える若き才能にも新型コロナの影/木村のF1英国留学日記

 将来F1のエンジニアとして働くことを目標にイギリス・ラフバラ大学に留学している現役大学生、木村さんのブログがスタート。初回は現在大学で学んでいることや、F1で働くことを目指した理由などをレポートする予定でしたが、まずは新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が大きいイギリスの実情などもお届けすることになりました。連載初回は深刻な状況が続いているイギリスの現地の様子と学生の生活状況をご覧ください。

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 はじめまして。今回からブログを掲載させていただくことになりました、イギリス留学中の大学生、木村です。僕はF1のエンジニアとして働くことを夢見て高校卒業と同時にイギリスに飛び、現在はラフバラ大学という大学で自動車工学を学んでいます。

 ラフバラ大学と聞いてピンと来たかたもいるかもしれませんが、この大学はハースF1チームの小松礼雄エンジニアを含め多くのF1エンジニアが学んできた場所。僕自身も高校生時代にF1速報で小松さんのプロフィールを見て、ラフバラ大学への進学を決めました。

 そんな大学ですので、僕の在籍している自動車工学科には世界中から(約8割はイギリス人ですが)クルマ好き、レース好きが集結して自動車に関するさまざまな学問を学んでいます。

 また、イギリスでは学生インターンの制度が根付いていて自動車工学科に限れば、在学生の半数以上が卒業までにモータースポーツや自動車業界で2年間の経験を積んで社会に出ていきます。

 もちろん各F1チームもこの制度を採用していて、僕も2018年夏から2019年夏までの1年間、ハースF1チームでインターン生として働いていました。こういった経験やイギリスでの大学生活を伝えられればと思います。肩肘張らず、ゆったりと読んでいただけるとうれしいです。

 さて、本来であれば初回は「ラフバラ大学でどんなことを学んでいるのか」といった学校生活を深堀りした内容にしたいと思っていたのですが、日本と同様、イギリスも新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が大きいのが現状です。

 イギリス全土では3週間の外出禁止要請が出るなど混乱が広がっているますので、今回は留学生という目線で現地の状況をお知らせしていきます。

 まず、大学は政府による休校要請が出る直前の3月16日に、対面式の授業や会議などをすべて停止し、オンラインでの授業へと移行しています。その4日後、3月20日には大学内の図書館やジム等の施設も閉鎖されてしまいました。

 ふだんは学生で賑わっている大学施設内からもあっという間に人がいなくなり、実家や母国へ帰るためにスーツケースや荷物を持って歩く学生の姿がこの頃から一気に増えました。

 また、どの国でも問題となっている食料品や日用品の買い占めも起こっています。いま僕がいるところは田舎町にもかからわず、スーパーに行くと精肉やトイレットペーパー、パスタ、パンなどが棚からごっそり姿を消していました。

 また、イギリス人が心から愛してやまない紅茶とジャガイモも棚から綺麗さっぱりなくなっていました。この2品が売り切れているのを見て、留学生活5年目ながら「イギリスにいるんだなぁ」とあらためて感じました(笑)。

 ただ、この買い占めなどの問題も徐々に改善されており、現在は食料品なども少しづつふだんと変わらない品揃えに戻りつつあります。

 また、新型コロナウイルスが広がり始めた段階で留学生のなかでも混乱が広がり始め、友人の多くは外出制限が発表される前に帰国。現在も故郷のホテルや自宅で2週間の隔離生活を送っています。

 僕自身はイギリスにとどまる決断をしたのですが、イギリスを離れると決めた友人たちが余った食料などをたくさん分けてくれました。こういったときこそ、助け合いが大事だなと思いますね。友人たちには感謝です。

 このブログは外出制限が始まってから、約1週間後に書いていますが、ご近所さんには空前の“芝刈りブーム”が到来中。毎朝、芝刈り機の音が目覚まし代わりです。目覚めたあとはオンライン授業や課題などをこなしています。

 ラフバラ大学では数年前からオンライン授業のシステムが導入されていて、学生たちも日頃から使っていたため、抵抗なくオンライン授業を活用できていると思います。こういった非常時だと、非常に強力なツールだなと思います。

 新型コロナウイルスはスポーツ界全体に暗い影を落としていて、モータースポーツにも大きな影響をおよぼしています。F1もオーストラリアGPをはじめ、多くのレースが延期や中止になってしまいました。

 特にオーストラリアGPは開幕直前で中止になったこともあり、英主要メディアでも大々的に報道していました。完全にファン目線ですが、ふだんとさほど変わらないパドックの様子や各チームのPR活動の様子をSNSなどで見ていただけに中止という結論に個人的には驚きが大きかったです。

 実はプレシーズンテスト直後にハースのエンジニアと話をする機会があり、その際「イタリアで(新型コロナウイルスの)事態が深刻化してきているから、もしかするとシーズンは予定どおり開幕できないかも」と言葉を交わしていたのですが、本当にそのとおりになってしまい、とても残念です。

 現在、ヨーロッパのモータースポーツメディアでは、F1がいつ、どのようなフォーマットで開幕するのかを考察した記事や報道が多い印象です。

 僕自身、いちF1ファンとしてレース不足に嘆いていますが、F1公式YouTubeチャンネルではF1 Eスポーツの動画だけでなく、過去のイベントのハイライト、場合によってはレース映像のフル配信なども行われているので、「こんなレースあったなぁ」「こんなフロントノーズあったなぁ」などと回想しながら、シーズン開幕を待ち望んでいる状況です。 


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