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F1 ニュース

投稿日: 2020.05.20 17:09
更新日: 2020.05.20 17:10

開幕後の新型コロナ対策に自信も「F1開催の継続可否を判断する基準を作るべき」とFIA医師

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F1 | 開幕後の新型コロナ対策に自信も「F1開催の継続可否を判断する基準を作るべき」とFIA医師

 FIAは、F1が策定した手続きや医療手順に従えば、シーズン開幕後にパドックで新型コロナウイルスの感染者が出た場合でも、感染拡大を抑え、イベント中止という事態を防げるとして自信をみせている。

 F1と統括組織のFIAは、2020年シーズンのF1世界選手権の開幕戦が行われるはずだったメルボルンで、フリー走行の開始直前に中止という決定を余儀なくされた。これは、前日にマクラーレンF1チームのスタッフ1名に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを受けての判断だった。

 残念なことに、F1はその後の9レースについても延期や中止という決定を強いられた。現時点では7月上旬のオーストリアでのシーズン開幕を目指すFIAは、パドックを『生物圏』に見立てて、互いの距離を保って活動し、あるいは検査手順を定めるといった厳格な規制運用を通じてウイルスの拡散を防ぐとしている。

 FIAの医療委員長を務めるジェラール・サイヤン教授は、仮にパドックで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性者のクラスターがごく小規模で発生した場合でも、3月のオーストラリアGPで起きたような混乱や問題がこの夏に繰り返されることはないとして自信をみせた。

「メルボルンのときと今とでは状況がかなり異なっている。ウイルスに関する知見が大きく異なるからだ」とサイヤンは『Sky Sports F1』に語った。

「かなり多くの問題を防ぎ、あるいは予測することが可能になっている」

「もし陽性者がひとり出た場合、あるいは10人出た場合でも、その陽性者たちを扱う特別なルートを設け、問題を完全に封じ込めることが可能だ。医療的観点からいえば、それらは問題ではない」

 だがサイヤンは同時に、人々の批判が大きくなるような事態を避けるためにも、被害がどの程度以上に広がったら極端な措置に転じるべきかの境界値を定める必要性に言及した。

「スポーツの観点とメディアの観点では基準がかなり異なるはずだ」

「我々はしっかりそのことを踏まえる必要がある。ある一線を超えたら継続不可能、と判断できる基準をつくるべきだ。だが我々としては、今の時点では問題はないと考えている」

 F1の2020年シーズンは7月5日にオーストリアのレッドブルリンクで開幕し、第2戦も同じシュピールベルグのコースで1週間後に行われることが決まった。

 しかし、その次のレースがどこで行われるかについては、現時点で不確かな状態だ。というのもイギリスが定める検疫施策の内容によって、シルバーストンでの2週連続開催が実現できなくなる可能性があるためだ。

 イギリスGPが中止または延期と決まった場合、F1が想定する代替案にはホッケンハイム開催も含まれている。もしそうなれば、各チームとスタッフはオーストリアの後もヨーロッパ大陸を離れずに移動することが可能となる。

 さまざまなシナリオのどれになるのであれ、ヨーロッパにおける一連のF1レースをどの程度行えるかどうかは、何よりもまず各国の安全規制や衛生対策にかかってくる。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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