5月29日(金)、ウイリアムズ・グランプリ・ホールディングス(WGPH)は、WGPHの株式の過半数を売却することを検討していることを明らかにした。この案には、会社全体を売却する可能性も含まれているという。
パフォーマンス不振に苦しむウイリアムズF1は、2018年、2019年と2年連続でコンストラクターズランキング最下位となっている。成績不振により商業収入にも大きな影響が及んでおり、グループの収益は2018年の1億7650万ポンド(約233億円)から、2019年は1億6020万ポンド(約211億円)に落ち込んでいた。
また2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンの開幕が延期されており、財政的なプレッシャーが大きくなっている。
ウイリアムズは声明を発表し、WGPH全体の正式な売却プロセスを開始したことを明らかにした。
「新しい戦略の一環として、WGPHの取締役会は、我々が利用できる様々な戦略オプションの見直しを行っている。検討されているオプションには、事業のための新たな資本調達、WGPHの少数株主持分の売却、また会社全体の売却の可能性を含む、WGPHの過半数の株式売却が含まれるが、これらに限定されるものではない」
「結果についてはまだ決定していないが、利害関係者との協議を促進するために、我々は『正式な売却プロセス』の開始を発表した。また取締役会は、戦略的な見直しと正式な売却プロセスを支援するため、Allen & Co.とLazardを共同のファイナンシャルアドバイザーに任命した」
「本発表の時点ではいかなるアプローチも受けておらず、我々への投資の可能性について少数の関係者と予備的な協議を行っている」
「WGPHの取締役会は、このプロセスをいつでも変更、または終了する権利を有しており、変更または終了した場合には適宜発表を行う」
「我々は数々の課題に直面してきたが、ウイリアムズは現在も資金を確保しており、2020年のカレンダーが許せばレースを再開する準備ができている。WGPHの取締役会は、時間をかけてあらゆる選択肢を検討し、将来に向けてF1チームを最良のポジションに置くために、戦略的な見直しと正式な売却プロセスを適切かつ慎重に行うべきことであると考えている」