アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に殺害された事件について、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はF1コミュニティが声を上げないことを非難した。一方で、一部のF1ドライバーたちは現在ソーシャルメディア上でこの状況について意見を表明している。
「沈黙を守っている人たちがいるのは分かっている。一部の人たちは大スターなのに、不正が行われている真っ只中で沈黙している」とハミルトンはインスタグラムに投稿した。
「この業界からは誰からもなんの意見も見られない。白人が圧倒的に多いスポーツだから当たり前だね。僕はF1で今も唯一の黒人で、ひとりで立ち尽くしている。なぜこの事件が起きたのかそろそろ分かってきて、何か言うかなと思ったけれど、あなたたちは僕たちの側に立つことはできないようだ。僕はただあなた方がどういう人間か知っているし、あなたたちのことを見ているよ」
「僕は略奪や建物に放火することには味方できないが、平和的に抗議を行っている人々を支持している。いわゆるリーダーと呼ばれる人たちが変化を起こさない限り、平和は実現しないだろう」
この件についてルノーのダニエル・リカルドは、フロイドさんの死の一件について「恥ずべきこと」だと言い表し、「この数日のニュースを見て僕は悲しくなった。ジョージ・フロイドに起きたことと、今の社会で引き続き起きていることは恥ずべきことだ」とインスタグラムに投稿した。
「かつてないほどに僕たちはともに立ち上がって、結束を固める必要がある。人種差別は有毒であり、暴力や沈黙ではなく団結と行動で対処されるべきだ。僕たちは立ち上がる必要がある。僕たちはひとつにならなければならない。より良い人間になろう。もう2020年なんだよ。黒人の命は大事だ」
またフェラーリのシャルル・ルクレールは、人種差別には行動で反応すべきだとツイッターに書き込んだ。
「心底正直に言うと、全体の状況についての僕の考えをソーシャルメディアで共有するのは、不適切で不自然だと感じていた。だから今日に至るまで僕は自分の考えを公にしてこなかったんだ。でも僕は完全に間違えていた」
「インターネットで見たいくつかの映像の残虐さをなんとか説明する言葉を今も見つけようとしている。人種差別には沈黙ではなく、行動で反応するべきだ。どうか積極的に参加し、他の人を引き込んで意識を広めるように働きかけてほしい」
「不正に対して声を上げることは僕たちの責任だ。沈黙しないで。ぼくは#BlackLivesMatter(黒人の命は大事)を支持する」
ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)はルクレールの言葉に同意するとして、インスタグラムに次のような投稿をしている。
「僕たちはみな何が正しいことかを主張する声を持っている。今まで僕はこの状況で自分の声をどう使えばいいのか分からなかった。シャルル・ルクレールの言葉に同意する。僕もこうした残虐行為についての自分の考えを共有するのは不適切だと感じていたんだ。今、ニュースやソーシャルメディアで目にしていることを理解するのに苦労している。正直なところ、自分の気持ちを表す言葉が見つからない」
「でも結局は、声を上げることがどれだけ気まずかろうが、沈黙では何も達成されない。今こそ、僕たち全員がともに立ち上がって、社会から人種差別を永久に追い出す時だよ。声を上げて、できるだけ広く意識を広めよう。この不正を終わらせる責任は僕たち全員にあるんだ」
マクラーレンのランド・ノリスも、「何か行動を起こしてほしい」と投稿した。
「僕にはファンとフォロワーがいる。サポートと愛も。そうしたことを通じて多くの人々を触発して導く力もある。そして僕たちは何が正しいのかということについても戦うんだ。今回のことで、何かをして行動を起こしてほしい」