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F1 ニュース

投稿日: 2020.07.02 13:35
更新日: 2020.07.02 13:37

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第2回】9週間のシャットダウンは充実。在宅勤務により仕事効率アップも

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F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第2回】9週間のシャットダウンは充実。在宅勤務により仕事効率アップも

 2020年シーズンで5年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニリングディレクター。メルボルンからイギリスに戻った後は、9週間のシャットダウンにより仕事はできなかったが、F1で働き始めて以来“初めて”だというある出来事が。ファクトリーの現状や開幕へ向けた準備について、小松エンジニアがお届けします。

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 みなさん、お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。突然ですが、僕は大学院を卒業して2003年にF1の仕事を始めて以来、ずっとレースチームやテストチームに帯同していたので、実はシーズン中に2週間以上イギリスにいたことがありませんでした(昔はシーズンオフにウインターテストもありました)。今はレースがないので、初めてこれほど長くイギリスに滞在しています。まさか仕事を始めてから17年経って、このようなことになるとは思ってもいませんでした。

 3月19日からFIAのシャットダウンが始まり、期限も最初は3週間だったのが、結局5月20日まで延長されました。仕事ができない間は生活のパターンを作ろうと思ったので、朝一で走り、朝食後は家族全員でYouTubeを見ながら運動、その後は学校は休校になっていたため、午前中は子供たちのホームスクーリングをしていました。

 子供たちに勉強を教えるためにイギリスの地理や歴史を勉強しなければならず大変なこともありましたが、僕が住んでいる街はローマ時代から続いているようなところなので、実生活と繋がっているところが多く楽しくやれました。

 外出が制限されているとはいえ、なるべく外の自然に触れられるような生活をしたいと思い、午後は子供たちとガーデニングをしたり、野菜を育てたり、林の中に自転車を乗りに行ったりしていました。僕の住んでいるところは周りに緑が多いので、天気にも恵まれ自然のなかでできることが多くて助かりました。こんなことは一生に1度しかないと思いますが、家族での時間を有意義に過ごすことができました。

 そしてようやく5月末から、在宅勤務という形で仕事に戻りました。ファクトリーでは出社する人数を制限しているので、社内に用事のある人以外は行かないようにしています。開幕戦に向けてクルマを作っていますが、メカニックも早番と遅番のシフト制にして、ファクトリーにいる人数が多くならないように気をつけています。またシフトの間に1時間のギャップを設けて、その間に清掃もしてもらっています。

 なるべくドアノブに触れずに済むように、ほとんどのドアは開放していますし、会社に来る人は全員が受付で体温を測り、万が一37.5度以上だったらすぐに帰宅するという対策も取っています。床にはソーシャルディスタンスを意識させるように2mの間隔でステッカーを貼っています。

 シフト制になってからは社内の人数が少ないので、ソーシャルディスタンスは問題ないのですが、ファクトリー内のジム、食堂やシャワー室はすべて閉めたので、残念ながら理想的な仕事環境とは言えません。そういう意味でも、在宅勤務の方が環境が良い面もあります。


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