2020年F1第1戦オーストリアGP金曜プラクティスの後、レッドブル・レーシングはメルセデスW11の革新的システム『DAS(デュアル・アクシス・ステアリング/2軸ステアリング)』への正式な抗議を行ったが、これが却下された。

『DAS』は、メルセデスが今年のプレシーズンテストで導入し、大きな注目を集めたシステム。ステアリングコラムを前後に押し引きすることで、走行中にフロントタイヤのトーアングルを変更するもので、直線スピードの向上とタイヤへの負荷を和らげる効果があると考えられている。

 2月のテスト時からメルセデスは、FIAへの問い合わせを行った上でこのシステムを使用しており、レギュレーションに反するものではないと主張してきた。しかしこのシステムへの抗議を行う意向を示し続けてきたレッドブルは、オーストリアGP金曜にルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが『DAS』のテストを行った後、FIAに対し正式な抗議の手続きを取った。

 メルセデスは技術規則第3.8条(空力に関する項目)と第10.2.3条(「車両が動いている時にサスペンションシステムに調整を行ってはならない」との規則)に反しているとレッドブルは主張した。

2020年F1第1戦オーストリアGP金曜記者会見でのトト・ウォルフ(メルセデス代表・左)とクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)
2020年F1第1戦オーストリアGP金曜記者会見でのトト・ウォルフ(メルセデス代表・左)とクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)

 これを受けてスチュワードが審議をスタート、両チームの代表者から聴取を行い、FIA技術部門を代表するニコラス・トンバジスの意見を聞いた結果、レッドブルの抗議を却下するという決定を下した。

 スチュワードは「『DAS』の合法性に対して異議申し立てがなされる主な点は、このシステムはステアリングシステムの一部ではないという主張に基づいている」が、「(『DAS』は)サスペンションの一部ではなく、サスペンション調整を違法に行うものとは考えられない」と、結論付けた。

「そのためスチュワードは、『DAS』はステアリングシステムの合法のパーツであり、サスペンションあるいは空力の影響に関するレギュレーションを満たしていると考える」

 FIAは、『DAS』は違法ではないとの見解を開幕前から明らかにしていた。一方で、2021年に同様のシステムが禁止されることはすでに決定済みだ。

 レッドブルの代表クリスチャン・ホーナーは、オーストリアの金曜、『DAS』が合法であることが明らかであれば、導入を検討する可能性があると語っている。

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