7月5日現地時間午後3時10分、2020年の第1戦オーストリアGPの決勝がスタートした。
気温は前日よりさらに上昇して28度、路面温度は55度にも達した。
予選Q3のルイス・ハミルトン(メルセデス)の最終コーナーコースオフは審議の結果タイム削除、Q3最後の黄旗無視はお咎めなしとなったが、レース直前になってレッドブル・ホンダが後者の裁定に対して抗議し再聴聞が行われた。
360度カメラの映像が新証拠となってマーシャリングシステムに黄色シグナルが灯っていたことが確認され、ハミルトンには通常の黄旗無視の通例に則って3グリッド降格ペナルティが科され、ハミルトンは5番グリッドへ。代わってマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がフロントロウの2番グリッド、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番グリッド、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が4番グリッドからスタートすることとなった。
Q3に進出した上位10台のうち9台はソフトタイヤでスタートに臨み、フェルスタッペンだけがミディアムタイヤを履く。一方、11番グリッド以下は全車がミディアムでスタートに臨んだ。
スタートではポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)が好発進を切ってホールショットを奪い、後方ではノリスがフェルスタッペンに並びかけてターン1に入っていくが、黄色のソーセージを超えてワイドになり、フェルスタッペンが2番手を確保。その後もノリスはフェルスタッペンに挑んでいくが、ミディアムタイヤのフェルスタッペンは確実に2番手を確保していった。その後方はアルボン、ハミルトン、ペレス、ルクレール、サインツと続き、3周目にはアルボンとハミルトンがノリスをかわして3番手・4番手に浮上する。
ボッタスはリードを2秒以上に広げていき、タイヤ戦略が異なるフェルスタッペンも無理はせずに後ろとのギャップを見ながら走行していく。中団トップの5番手はノリスが死守するがその背後にはペレス、ルクレールが続き、ルクレールはペレスのエンジンから上がるオイルの白煙に悩まされていると訴える。
ハミルトンは3番手のアルボンにテールトゥノーズで走るが、なかなか仕掛ける決定機は訪れない。しかし9周目のターン4でDRSを使ってアウトからバスし3番手に浮上した。
11周目のターン1手前でパワーユニットのセッティング変更を施した瞬間、フェルスタッペンのマシンは電源がシャットダウンしてスローダウン。セッティング変更を施して復帰を試みるがアンチストール機能がオンになったままとなり、ピットに戻って再起動するが復帰は出来ずリタイアを余儀なくされた。