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F1 ニュース

投稿日: 2020.07.31 10:44
更新日: 2020.07.31 12:14

ホンダF1田辺TD会見:ライバルとの力関係が見えるも「相対的に遅い原因がわかっても、急に速くなるわけではない」

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F1 | ホンダF1田辺TD会見:ライバルとの力関係が見えるも「相対的に遅い原因がわかっても、急に速くなるわけではない」

 今週末から再び始まる3連戦は、前半2戦がシルバーストンで開催される。去年のイギリスGPでのレッドブル・ホンダは、予選でもレースでもメルセデスに肩を並べる速さを見せた。

 しかし今年は先週までの開幕3戦で、彼我の大きな差を見せつけられた。そのためホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターも、「相対的に遅い原因がわかったからといって、急に速くなるものでもない」と、慎重なコメントに終始した。

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──今週末から、再び3連戦が始まります。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):開幕3連戦はいろいろ問題も出て、ライバルとの力関係も見えてきました。1週間のインターバルでできることは限られていますが、シルバーストンでの2戦、3戦目のバルセロナでベストの戦いができればと思っています。

──さくらR&Dとパワーユニット(PU)の使い方の最適化を検討したとのことですが、具体的にはどのようなことをしたのですか。

田辺TD:いつもやっていることですね。特に開幕3戦の使い方を見直したとか、そういうことではありません。初めて実戦で新パワーユニットを使ってみて、さらなる最適化のためにはどうしたらいいか。たとえば制御領域だったりとか、いろいろな分野の改善を検討しました。

──開幕3戦でパワーユニット側に出たいろいろなトラブルの原因に関して、その後新たにわかったことはなんでしょうか

田辺TD:いろいろなことが、わかってきました。特定しづらいために解析を続けていると以前申し上げた部分に関しても、徐々に糸口が見えてきた。それを基にいくつか手を打って、シルバーストンに臨みます。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

──現状では今季15戦以上が開催される可能性が高いと聴いています。となると年間3基のパワーユニットが使えることになりますが、イモラやムジェロなどパワーユニットに過酷なコースが多く、ローテーションが難しくなるのでは?

田辺TD:やるしかないと思っています。データのない初開催のサーキットに関しては、事前シミュレーションの精度を高めて準備をする。実際に走ったら、そのデータをすぐにフィードバックする。その繰り返しですね。シミュレーション技術はかなり上がってますので、初体験のコースでもとっちらかるようなことはないかと。ローテーションに関しては3基使用を前提に、攻めるところ、我慢すべきところを考えて準備します。

──去年のレッドブル・ホンダはイギリスでもう少しでポールポジションという速さを見せましたが、今年は現状ではどうでしょう。行けそうですか、あるいは厳しいでしょうか。

田辺TD:そんなに簡単ではないですね。相対的に遅いという事実に対して、原因を突き止めようとしていますが、わかったからといって急に速くなるものでもない。そこは先ほど言ったようにこの3戦のデータ、そして過去のデータも見直して、向上できる可能性のあるもの、シルバーストンというコースに有効であろうものを入れていきます。

 もちろん向上することを信じて入れるわけですが、F1はそんなに簡単ではない。実際に向上する保証は、どこにもありません。


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