シルバーストンのコース特性から、苦戦が予想された第4戦イギリスGP。実際、メルセデスの2台は異次元の速さでフロントローを独占した。しかしマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)も1秒以上の差を付けられたとはいえ、何とか3番手に食らいついた。
一方で残り3台はQ2落ちを喫し、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)はバッテリー関連のトラブルにも見舞われた。とはいえドライバー4人はいずれも、マシンパッケージの性能向上に前向きの感触を得ているという。
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──まずは2日目を振り返ってください。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):FP3の出だしで、アルボン車のバッテリー関連のデータに異常が出ました。幸い、セッション中盤には走行準備ができて、予選に向けてある程度の走りができたのは良かったです。
予選に関しては、Q3進出がフェルスタッペンだけ。残り3台はQ2敗退という結果でした。ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)はタイム的には10番手のドライバーと同じだったのですが、結果的に11番手。残念といっていい結果でした。
ただフェルスタッペンはダントツ速いメルセデスに食らいついての3番手で、レースは長丁場ですし、いい展開でいけるのではないかと思います。結果は少し残念でしたが、ドライバー全員からはポジティブなコメントをもらっています。まず開幕3戦を経ての、今回のクルマの変化ですね。チームもホンダもいろいろ対応して、クルマが良くなったという感触を得たのだと思います。
──ドライバーのポジティブな発言のなかで、特にパワーユニットに関連したものはありますか。
田辺TD:マシンパッケージ全体に関するものですね。ただパワーユニットに関しても、たとえば走行中に無線で文句を言われたりとか、そういうことはないですね。回生エネルギーのデプロイなど、セッティング関係も含めて、うまくできているかなと。
──予選Q1からQ3にかけてのメルセデスのタイムの伸び代は、今回特に大きかった。その辺り、田辺さんはどう捉えていますか。
田辺TD:速いですね。彼らは普段からQ1、Q2、Q3へと、積極的にモードを変える使い方をしていますよね。しっかり確認はしていませんが、タイムの伸び方からも明白です。Q1からQ3へと、しっかり駒を進めているのが、ラップタイムからも明らかです。