アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、今季自己ベストの予選7番手を獲得した。今年はレーシングポイント、マクラーレン、ルノーが着実に速さを増し、アルファタウリ・ホンダがそのなかに割って入るのは至難の業だ。にもかかわらずガスリーはここまで予選トップ10に3度食い込み、4戦中2度の入賞も果たしている。
ガスリーがレースごとに存在感を発揮する一方で、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は不安定なマシンに手こずり、マックス・フェルスタッペンとのタイム差は開くばかり。そんなふたりの状況は、1年前のほぼ真逆と言っていい。となるとレッドブル復帰の噂も当然出てくるわけで、予選後の囲み取材でも話題の中心となったのだった。
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──予選結果には、満足していますか?
ピエール・ガスリー(以下、ガスリー):大満足だよ。素晴らしい予選だった。初日のフリー走行があまり納得できなくて、予選でまさかここまでのグリッドを獲得できるなんて全然思っていなかったからね。ひと晩のうちに、見違えるほどにクルマが進化した。僕自身の走りも、その性能をしっかり引き出せるものだった。
──ヘルムート・マルコ博士(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)もさぞ喜んでいると思いますが、彼に何かメッセージを送ったり、あるいは会いに行ったりしましたか?
ガスリー:いや、特に何も。チームの誰かがきっと報告しているだろうし、違うチームバブルだから簡単には会えないしね。
──シルバーストンでこれだけの速さを見せたアルファタウリ・ホンダのパッケージは、他のどんなサーキットでも速いと思いますか?
ガスリー:そうだねえ……。そう言い切るのは、まだ時期尚早だと思う。ただひとつ確かなのは、今年の僕らはほとんどのレース週末でマシンの潜在能力をほぼ限界まで引き出せるようになっているということだね。予選でもレースでも、去年に比べてずっと安定した結果を出せているのは、それが大きいと思う。
一方で、もしマクラーレンが本来のマシン性能を十分に引き出せるようになったら、僕らより速いはず。もちろんフェラーリもそうだ。今は彼らがまだその点でちょっと手こずってるから、隙を突いて上にいけているということはあるね。彼らも確実に速くなっていくだろうから、今後は今以上に過酷な接近戦になると思う。
でもそんななかで、チームは僕に安定して速いマシンを提供してくれている。先週の第4戦以降はトラブルとも無縁だしね。その点は本当に感謝している。スタッフのためにも頑張らなきゃという気持ちになるよ。
──アルファタウリ・ホンダのパッケージは、去年よりずっと戦闘力を増していると言えますか?
ガスリー:それは間違いない。ただレースはあくまでライバルたちとの競争だし、レーシングポイントもマクラーレンもルノーも、去年よりずっと速くなっている。僕らのクルマはまだ彼らに劣っている部分がいくつもあるし、1日でも早く追い付こうと一生懸命やってるところだ。
──『AT01』には、去年のレッドブルのパーツがいくつか導入されていますよね。
ガスリー:テクニカルディレクターに確認しないとわからないけど、そうだと思うよ。