第5戦70周年記念GPに引き続き、金曜日のFIA会見に登場したひとりが、トト・ウォルフ(メルセデス代表)。それは、いまF1界で話題となっているふたつの政治的な話題にメルセデスがいずれも絡んでいるからだ。そのうちのひとつがレーシングポイントのコピー問題を巡る騒動で、もうひとつがパワーユニット(PU)の予選モードの使用禁止についてだ。
今回の会見での最初の質問は、第6戦スペインGP直前になって話題となった、PUの予選モードを第7戦ベルギーGPから使用禁止にすることを示唆する技術指令書がFIAから出されたという噂を巡る件だった。
前日の木曜日の会見では、ルイス・ハミルトン(ルイス・ハミルトン)が「これは、明らかに僕たちメルセデスを遅くしようとする狙いがある。でも彼らが望むようにはならないし、問題ない」と受けて立つ、強気の姿勢を見せていた。果たして、ウォルフはどう思っているのだろうか。
「FIAの最優先事項は、エンジンで何が起こっているかをよりよく理解し、分析するためのルールを構築することだと思う。というのも、現在のパワーユニットはエンジンとふたつのエネルギー回収システムがあり、非常に複雑なものとなっている。だから、モードを1つにすることで、FIAにとってはより監視しやすくなると思う」
「もうひとつは、スポーツという観点から見た場合、先頭を走る者が遅くなるということは競争が激しくなるという点でポジティブなことであり、それはこの世界ではこれまでも常に行われてきたことだ。もちろん、私たちとってはそれはとてもチャレンジングなことだ。なぜなら、我々には優れた予選モードがあり、最後のセッションではいつも、我々にエキストラパワーを与えてきたからだ」
「しかし、もしそれが使用できなくなったとしても、それは我々にとって必ずしもマイナス材料になるわけではない。なぜなら、予選で使用していたパフォーマンスをレースに振り分けることができるからだ」