2020年F1第6戦スペインGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は2位を獲得し、5戦連続して表彰台に上がった。今回メルセデスの1-2は阻止できたものの、優勝したルイス・ハミルトンにはまったく追い付けず、タイヤトラブルともメルセデスは無縁だった。コース特性の違い、内圧を下げたことも、レッドブル・ホンダには不利に働いた。
しかし、それ以上に王者メルセデスがきっちり対応してきたということだろう。ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターも、「歴然とした差は、今もそのままだ」という認識を示した。
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──レースの総括から、お願いします。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):4台完走したものの、4台入賞は逃しました。(ダニール)クビアト選手は、残念でした。レッドブルの敵であるメルセデス、アルファタウリ・ホンダの敵である多くの中団チーム、彼らと戦うためにはまだまだ戦闘力を上げていかないと、勝つことはできないことを痛感したレースでした。
──フェルスタッペンは、5戦連続表彰台です。
田辺TD:そうですね。3番グリッドからひとつ順位を上げて、2位表彰台に上がりました。レースペースを見てもらえばわかるように、トップ3台だけが異なるペースだった。そこにレッドブル・ホンダが1台入っていたことは、よかったと思います。
とはいえメルセデスを抜くことは、難しかった。今のF1マシンは先行車に近づきすぎることができず、相対的なラップタイム差がある程度大きくないと抜くことは難しい。純粋な強さ、そして予選での速さが必要ですね。
──フェルスタッペンのパワーユニット(PU)は、トラブルが出たのですか?
田辺TD:データ異常が出て、念のために交換したということです。何かが壊れたとか、そういうことではありません。前日の予選中に判明しました。
──予選モード規制は、予定通り実施されるのですか?
田辺TD:次の第7戦ベルギーGPから、予選モード廃止が通告されています。詳細については検討中とのことですが、ホンダもきちんと入って話し合いを始めています。FIAの考える規制、監視内容と、メーカー側の考えるもの、「これはできるが、この監視は無理だ」など、そういう話をしていきます。全チーム、メーカーの意見が束ねられれば、ベルギーから実施ということになるでしょう。それができなければ、延期もありえます。
──「自分たちに多少不利になる」と、メルセデス側は言っています。ホンダへの影響は、どうでしょう。
田辺TD:規制、監視の内容によりますね。それによって、影響の出方は変わってくる。メルセデスが損すると言っているのなら、ホンダは「いいな」と言えるかもしれません。しかし現時点では、はっきり言えません。