レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2020.08.19 19:11
更新日: 2020.08.19 21:36

【F1第6戦無線レビュー(1)】メルセデスを気にする戦略にフェルスタッペンが苦言「自分たちのレースをやろうよ」

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 【F1第6戦無線レビュー(1)】メルセデスを気にする戦略にフェルスタッペンが苦言「自分たちのレースをやろうよ」

 今年の第6戦スペインGPでは、ドライバーとチームとの無線のやりとりで、緊張状態となった瞬間が何度かあった。そのうちのひとりが、マックス・フェルスタッペンと、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン担当レースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼの無線交信だ。その当時の前後の状況とともに、無線を振り返る

──────────

 スタートでバルテリ・ボッタス(メルセデス)をかわして2番手に上がったフェルスタッペンの出だしは、悪くなかった。先頭を走るルイス・ハミルトン(メルセデス)との差が2秒以上に広がらないまま6周がすぎると、ランビアーゼがフェルスタッペンにこう告げる。

レッドブル・ホンダ:ハミルトンとのギャップが縮まり出している

 しかし、フェルスタッペンは、それがハミルトンの全力ではないことを感じ取っていた。

フェルスタッペン:わかっているよ。だって、ハミルトンはいま超スロー走行しているからね

ルイス・ハミルトン(メルセデス)&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 フェルスタッペンの勘は当たった。13周目からハミルトンのペースは1分23秒前半に入り、1分23秒半ばのフェルスタッペンとの差が広がっていった。そして、16周目にランビアーゼから前後のペースを知らせる無線が入る。

レッドブル・ホンダ:いまハミルトンは23.3で、ボッタスは23.7だ

 ところが、2周後の18周目にフェルスタッペンは1分24秒台に落ち、たまらず報告する。

フェルスタッペン:リヤが厳しくなってきた

 それでもピットが動かないと、早くピットインしてタイヤを変えたいと訴える

フェルスタッペン:ターン7が最悪だ。もうタイヤが終わっちゃったよ

レッドブル・ホンダ:ターン7はいま追い風がひどいだけだ

フェルスタッペン:追い風は関係ないよ。いやタイヤが完全に終わっているんだ

 しかし、このときフェルスタッペンの20秒後方にレーシングポイントのランス・ストロールがいたため、その後ろに回りたくないレッドブル・ホンダ陣営は、タイヤが終わっているものの、まだストロールよりもペースが速いフェルスタッペンをステイアウトさせて、十分なギャップを築いてからピットインさせるつもりだった。

 ところが、フェルスタッペンはその戦略に納得がいかず、再び無線でこう訴える。

フェルスタッペン:もう一度繰り返してもらいたいの? タイヤは完全に終わっているんだよ

レッドブル・ホンダ:繰り返してもらわなくてもだいじょうぶだよ、マックス

フェルスタッペン:いま、僕たちはものすごくタイムを無駄にしている。渋滞のなかに入っても問題ないよ。彼ら(レーシングポイント)なんて、すぐ抜けるから

 21周目、ストロールとの差が22秒以上となったのを確認して、レッドブル・ホンダはフェルスタッペンをピットインさせ、ミディアムタイヤに履き替えさせた。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


関連のニュース