ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回はF1第6戦スペインの週末を甘口の視点でジャッジ。
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今シーズン初優勝となった第5戦70周年記念グランプリよりも暑くなった第6戦スペインGP。暑さに弱点を抱えるメルセデス相手に、2連勝の可能性もあったレッドブル・ホンダだったが、レースでマックス・フェルスタッペンはルイス・ハミルトン(メルセデス)に完敗し、2位に終わった。
この結果を残念に感じているとしたら、それは今年のレッドブル・ホンダに対する期待の大きさの現れだといっていいだろう。というのも、昨年と比較して、今年のレッドブル・ホンダの成績は決して劣っていないからだ。
昨年のスペインGPでレッドブル・ホンダは3位だったが、じつは5戦目でそれがシーズン2度目の表彰台だった。今年のスペインGPは2位。表彰台は6戦目ですでに5回目だ。今年は昨年まで3強の一角を占めていたフェラーリが失速したことも、レッドブル・ホンダにとっては表彰台獲得率が高くなっている要因となっているだろうが、決してそれが主な要因でないことは、表彰台に上がった5回のうち4回が2位以上ということでもわかる。つまり、メルセデスの1台より上位でフィニッシュしているわけである。
これはホンダがパワーユニット(PU/エンジン)を供給しているアルファタウリ(昨年までのトロロッソ)についても同様だ。昨年のトロロッソはスペインGPまでの5戦で4度入賞しているが、最高位は9位だったのに対して、今年は6戦中5度入賞し、最高位は7位(2回)だ。
順位だけではない。昨年のスペインGPでポールポジションを獲得したメルセデスが、今年もポールポジションを獲得したものの、タイムは昨年に及ばなかった。それに対して、レッドブル・ホンダは昨年のタイムを0.065秒だが、上回っている。したがって、メルセデスとのタイム差も、昨年のスペインGPよりも詰めているのがわかる(データ1)。
※データ1
スペインGP 予選ベストタイム比較
▼2019年(第5戦)
ボッタス(PP) 1分15秒406
フェルスタッペン(4番手) 1分16秒357(0.951秒差)
ガスリー(6番手) 1分16秒708(トップと1.303秒差、フェルスタッペンと0.351秒差)
▼2020年(第6戦)
ハミルトン(PP) 1分15秒584
フェルスタッペン(3番手) 1分16秒292(0.708秒差)
アルボン(6番手) 1分17秒029(トップと1.445秒差、フェルスタッペンと0.737秒差)