アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが涙のF1初優勝を飾った2020年の第8戦イタリアGPは、ガスリー以外にも多くのドライバーによる様々なドラマがあった。今回は、地元レースでリタイアに終わったフェラーリ勢や、上位入賞のチャンスを手にしていたキミ・ライコネン(アルファロメオ)などの無線やりとりを振り返る。
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まず、予選2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)がスタートで出遅れ、1周目に6番手に後退すると、無線で助けを求める。
ボッタス:パンクだ。パンクだ。何か変だ
メルセデス:タイヤの内圧は問題ない。フロントウイングにもダメージは見当たらない。だから、そのままレースを続けよう。
しかし、その後もボッタスのぺースは上がらず、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の猛追を受けると、たまらずこんな無線を。
メルセデス:フェルスタッペンが0.7秒差で迫っている
ボッタス:このエンジン設定じゃ、戦えないよ! まるでジョークだ
結局、ボッタスはこのレースで一度もオーバーテイクすることなく、5位でフィニッシュ。レース後、こうコメントしている。
「スタート直後、アンダーステアがひどく、マシンが片側に引っ張られるような感じだったので、パンクしたと思ったんだ。その後は良くなったけど、今度は渋滞にはまってオーバーヒートに苦しめられた。それでストレートでトウ(スリップストリーム)が使えなかった」
ホームレースとなったフェラーリにとっては、最悪の結果となった。まず17番手スタートのセバスチャン・ベッテルが6周目の1コーナーでブレーキトラブルに見舞われて、ピットインしてリタイアする。
フェラーリ:(ホームストレート上で)左リヤに問題が出ている
ベッテル:(直後の1コーナーのブレーキングで止まりきれずにシケインを直進)ブレーキトラブル、ブレーキトラブルだ。ブレーキがなくなった。ラインが完全に壊れた
チームメートのシャルル・ルクレールは13番手からスタートし、早めのピットストップが功を奏して、1回目のセーフティーカー導入時には6番手まで浮上。しかし、レース再開後にパラボリカでクラッシュした。
フェラーリ:大丈夫か?
ルクレール:ああ……ひどいクラッシュだ。******