F1初開催となったムジェロでの第9戦トスカーナGPは、赤旗が2回も出るなど、大波乱のレースとなった。最初の波乱はスタート直後から始まった。3番手からスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が好ダッシュを決めて、ポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)に並びかけたところで、失速してしまう。
フェルスタッペン:ノー・パワー
さらにフェルスタッペンは1コーナーを立ち上がったところで集団に飲み込まれていく中で、後方で発生した多重クラッシュに巻き込まれ、グラベルの餌食となった。
フェルスタッペン:スタックした!! 見ての通り*****のせいだ。マジで。
フェルスタッペンの後方で起きた多重クラッシュの中には、前回F1初優勝を飾ったピエール・ガスリー(アルファタウリ)も含まれていた。キミ・ライコネン(アルファロメオ)とロマン・グロージャン(ハース)の間にいたガスリーは、左側にいたライコネンと接触した後、反動で右側にいたグロージャンとも接触し、グラベルへ。
ガスリー:挟み撃ちにあった。
アルファタウリ:だいじょうぶか? マシンは?
ガスリー:僕はだいじょうぶだけど、マシンは完全に壊れた。
アルファタウリ:わかった。グラベルから脱出できないのなら、エンジンを切っていい。そして、ギヤをニュートラルに入れて、リタイアだ。
アルファタウリ:どう? グラベルを出て、帰ってこられる?
ガスリー:グラベルにハマってしまった、クソッ。
アルファタウリ:じゃ、残念だけど、エンジンを切ってリタイアだ。
ハース:だいじょうぶか?
グロージャン:事故に巻き込まれた。あいつら、とんでもないよ。イン側で事故っていたのはだれだ?
この多重クラッシュの前方では別の事故も発生。スピンしてコース上にとどまっていたカルロス・サインツJr.(マクラーレン)を避け切れず、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が接触した。
ベッテル:サインツを避けられず、フロントウイングを壊した。
これでレースは1周目からセーフティカーが導入される。そのセーフティカーラン中に、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)からこんな無線が。
ラッセル:オコンの後ろから何か炎が見えているけど。
その後、オコンはレースを再開させたものの、炎が収まらず、ブレーキラインにダメージが生じ、リタイアした。