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F1 ニュース

投稿日: 2016.11.06 11:05
更新日: 2016.11.06 14:04

【特集】ベッテルとフェラーリの夢の行方/4度の王者はあの日のモチベーションを取り戻せるのか

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F1 | 【特集】ベッテルとフェラーリの夢の行方/4度の王者はあの日のモチベーションを取り戻せるのか

 昨年、セバスチャン・ベッテルはフェラーリで3勝をあげた。だが、今年は一段と不満がつのるシーズンを送っており、状況は彼らにとって良くなるどころか、さらに悪化するかもしれない。両者の夢がかなうには何が必要なのか、英AUTOSPORTのF1担当者、ローレンス・ブレットが考察した。

 2015年シーズンの幕開けに先立って、セバスチャン・ベッテルとフェラーリが手を結んだ時、彼らはあらゆる面で似合いのカップルに見えた。 

 レッドブルで失意の1年を過ごしたことで、ベッテルへの評価は悪化しており、フェラーリへの移籍はそれを修復する機会を提供した。一方、フェラーリは、過去20年間で最低と言われたマシンで苦難のシーズンを送ったばかりであり、復興に向けてチームを率いるスタードライバーを必要としていた。そして、彼らは「力を合わせて2000年代初めの栄光の日々を取り戻そう」という目標を掲げた。

 もちろん、ベッテルもフェラーリも、それが簡単な仕事ではないことは承知していた。しかし、それからまもなく2年が経つというのに、彼らのプロジェクトが順調に進行しているようには思えない。

■跳ね馬の競争力低下に伴い、2014年のベッテルのように

 2016年シーズンが深まるにつれて、フェラーリの相対的な競争力は明らかに低下している。ベッテルのフラストレーションは高まるばかりだ。以前よりミスも目立つようになり、彼本来のドライビングの実力が発揮されていない。

2016年第13戦ベルギーGP ベッテルとライコネンが接触
2016年第13戦ベルギーGP ベッテルとライコネンが接触

 ちょうど、4年連続でタイトルを獲得したベッテルが、やや気を抜いたかに見えた2014年にも通じるところがある。その年、レッドブルにはチームメイトとしてダニエル・リカルドが加わり、しばしば彼を上回るパフォーマンスを示した。ベッテルは新たな挑戦を必要としていた。

 ただ彼の所属するチームが違うだけで、2016年も当時と同じようなことが起きているのだ。最近では、すでにドライバーとしてのピークを過ぎたキミ・ライコネンが、ベッテルより上位にいることが多い。また、チームボスのマウリツィオ・アリバベーネも、やむにやまれずこれまでの慣習を破り、公の場でベッテルを批判し始めた。アリバベーネは日本で、ベッテルは来季以降のシートを「勝ち取らなければ」ならず、チームのいろいろな領域に関心を持つよりも、自分が乗るクルマのことに集中し直すべきだと述べている。

 これはベッテルの耳に快く響く言葉ではないだろう。しかし、アリバベーネが何らかの手を打たねばならないと感じて、こうした発言をしたことは明らかだ。


この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています

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