F1第10戦ロシアGPではルイス・ハミルトンとメルセデス以外のドライバーたちも、クラッシュやペナルティにより慌ただしい無線のやりとりを行っている。今回は他のドライバーたちに焦点をあてた無線のやりとりを振り返る。
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第10戦ロシアGPは、ハミルトンとメルセデスの無線以外にも、興味深い交信がいくつもあった。
まずマクラーレンだ。スタート直後の最初のブレーキングゾーンとなる2コーナーでカルロス・サインツJr.が止まりきれずにラン・オフ・エリアに飛び出す。合流する直前にコンクリートウォールに左フロントタイヤを激しくぶつけてしまった。
サインツ:*****。みんな、ごめん。本当に悪かった
マクラーレン:だいじょうぶか。とりあえず、スイッチをすべて切ってくれ
3コーナーのコース上はサインツのマシンと壊れたパーツが散乱し、後方は大混乱。直後を通過したチームメイトのランド・ノリスが、間一髪でサインツのマシンを避けたのはマクラーレンにとって不幸中の幸いだった。
ノリス:クルマをチェックしてくれ。カルロスの大量のデブリに乗ってしまった
マクラーレン:わかった。いまチェックしている。
ノリス:いったい、カルロスはどうしたの? ターン1(正確にはターン3)でヒーローにでもなろうとしていたのかよ? ああ、今度は別のクルマ(4コーナーを立ち上がったところでストロールがクラッシュ)が止まっている。セーフティカーだな
サインツの事故の後、4コーナーを立ち上がったところでランス・ストロール(レーシングポイント)の右リヤタイヤとシャルル・ルクレール(フェラーリ)の左フロントタイヤが接触。ストロールのマシンだけがコントロールを失い、コンクリートウォールにクラッシュした。
ストロール:くそ、当てられたよ
レーシングポイント:戻って来れたら、戻ってこい、ランス
ストロール:ダメだ。終わった。もうおしまいだ
レーシングポイント:わかった、ランス。いまセーフティカーが出た。とりあえず、マシンのすべてのスイッチを切ってくれ
ストロール:(エンジンを)切った
レーシングポイント:違う。すべてのスイッチを手前に引いてくれ。そして、ランプの上に持ち上げるんだ
ルクレール:ランスとぶつかった
フェラーリ:わかった。いまセーフティカーが出た。スローボタンを押してくれ。それから、マシンにダメージがないか、チェックしてくれ
ルクレール:だいじょうぶそうだ。でも、接触はコーナーの出口でランスがこっちに幅寄せしてきたからだよ
フェラーリ:了解。ステイアウトだ。いまP8だ。