2020年のF1グランプリ第12戦はポルトガルGPだ。ただし、その舞台となるのは、かつて1980年代から1990年代にかけてF1が開催されたエストリル・サーキットではなく、ポルトガルの南端、ポルティマオ近郊にあるアルガルベ・インターナショナル・サーキット(ポルティマオ・サーキット)だ。
ポルティマオというのは、サーキットの最寄りの町の名前で、アルガルベというのはポルティマオも含む一帯の地域の名前。
筆者がアルガルベ・インターナショナル・サーキットを訪れたのは、2009年のプレシーズンテストが行われた1月のことだ。サーキットが完成したのは2008年なので、できたてホヤホヤで、地図にも載っていなければ、地元の人に聞いても場所を知らないような時代だった。
F1を開催するのは2020年が初めてだが、すでにこの2009年の秋にはGP2(現在のFIA-F2)のレースが開催される予定になっており、サーキットには大きなグランドスタンドが備わっていた。
パドックは、何台ものF1チームのトランスポーター(大型トラック)が入るのには十分なスペースがあり、ピットレーンも広かったが、ピットビルが近年に新設されたサーキットとしては2階建てとこじんまりとした印象だった。
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