F1 ニュース

投稿日: 2020.10.23 18:05
更新日: 2020.10.23 18:02

アロンソの新たな挑戦と過去にF1復帰を果たした名ドライバーたち/スペイン人ライターのF1便り


F1 | アロンソの新たな挑戦と過去にF1復帰を果たした名ドライバーたち/スペイン人ライターのF1便り

 2021年に向け、すでにルノーと作業を始めているフェルナンド・アロンソ。10月13日にはスペイン・バルセロナでフィルミングデーとして、ルノーの2020年型マシンR.S.20でのテストを行っている。2019年からF1を離れていたアロンソは果たして2021年にどんな活躍を見せるだろうか。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアがこれまでF1にカムバックしてきたドライバーたちとアロンソについて語る。

—————————————————–

 さる10月13日、フェルナンド・アロンソは1年半以上の歳月を経てF1マシンのステアリングを握った。バルセロナで行われたベネトンでの初めてのテストから約20年後に、2度のF1世界王者であるアロンソはイギリス・エンストンで作られたルノーのマシンに戻ったのだ。これは今年最大のモータースポーツニュースのひとつにおける、最新の動きだ。ルノーは2021年にアルピーヌとしてF1活動を行うことを発表しており、アロンソはアルピーヌからF1復帰を果たすことになる。いずれにせよアロンソは、ある程度の期間を経てF1に復帰したドライバーとなる。

 アロンソがバルセロナ−カタルニア・サーキットでテストを行なったのは、実際にはフィルミングデーのことで、彼の走行時間はデモ仕様のタイヤを履いたうえで100kmに制限されていた。それでもアロンソは、マシンのポテンシャルを感じることができたと言い、まだフルスピードには戻れていないことを認めた。

 だが走れるようになるためには、まず歩けるようになる必要がある……。アロンソはふたたび走れるようになる前に、F1で“歩ける”ようになろうと学んでいるのだ。それはF1でのレースを辞めて1年か2年(もしくはそれ以上!)の間競技から離れていたドライバーであれば、誰にとっても最大の挑戦となるだろう。以前に同じことをしたドライバーは他にもいるが、成功の度合いは様々だ。

 何かから離れていた時間が短いほど、ふたたび勘を取り戻すのにかかる時間が短くなることは明らかだ。競争力のあるドライバーを見てみると、F1から1年だけ離れていた者は全般的に復帰して良い結果を出している。最高の例はアラン・プロストの復帰だ。プロストは1991年末にフェラーリのシートを失い、1992年は居場所がなかった。1993年にグリッド上で最強のマシンとともに復帰し、引退するまでに4度の世界チャンピオンとなった。実は1992年のプロストは、交渉と勝つためのベストチャンスを見つけるために使っていた。伝えられるところによると、プロストは時には“腕が錆びついている”こともあったそうだが、競争力のあるマシンが困難な日々の助けになった。

 偶然にも1993年は、ナイジェル・マンセルがF1を離れていた年でもある。インディカーにフルタイム参戦(そしてタイトルを獲得)したことが助けとなり、1994年にウイリアムズでレースをするチャンスを得たマンセルは、すぐさまオーストラリアGPで優勝してみせた。これはF1におけるマンセル最後の勝利、最後の表彰台であり、そして最後のポイント圏内フィニッシュだった。だがマンセルはスピードがあることを証明したのだ。

 アロンソのように2年間もF1から離れていたら、状況はもう少し難しくなるだろう。ごく最近ではキミ・ライコネンの例がある。2010年にライコネンはフェラーリのシートを失うが、それはまさにアロンソが奪ったシートだった。それからというもの、ライコネンは数年間ラリーに参戦したが、限られた成功しかできなかった。その後2012年にロータスから復帰を果たす。もしかするとこれがアロンソのケースに最も近いものかもしれない。“アイスマン”と呼ばれるライコネンは、ロータスからF1に復帰する前にオフロード競技やオーバル(NASCARエクスフィニティとトラックシリーズ)のレースにさえ参戦した。ライコネンはF1復帰後に3度優勝を果たした。ライコネンには速さと能力があったが、それでも彼の最盛期に戻ることは決してできなかったようだ。また、年齢が要因でもあったことは確かだ。

 当然ながらアロンンソが見習いたい例はニキ・ラウダだろう。ラウダは1979年の終わりに突然引退し、1980年と1981年の2年間はF1から離れていた。しかしラウダはカムバックし、これまでどおりの能力があることを示したのだ。復帰にあたってラウダは昔あった純粋なスピードを失ってしまったようだが、以前と変わらずに抜け目がなく頭の切れるラウダは、1984年にマクラーレンで世界チャンピオンを獲得した。ラウダの経験は、F1を引退して復帰してからでも、最終的に成功を収めることが間違いなく可能であることを証明している。それがたとえ、やはり復帰を果たしたアラン・プロストにたった0.5ポイント上回っていたことであったとしてもだ。

2018年 ニキ・ラウダとエイドリアン・ニューウェイ
2018年 ニキ・ラウダとエイドリアン・ニューウェイ

■次のページへ:全盛期の速さは失っていた2010年のミハエル・シューマッハー


本日のレースクイーン

UP GARAGE HONEYS
五十嵐希(いがらしのぞみ)

F1 Photo Ranking

フォトランキング