10月25日現地時間午後1時10分、F1第12戦ポルトガルGP決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインで通算92勝目を飾った。
土曜とは違い上空には雲が多く、気温は20度ながら路面温度は土曜より10度も低く25度までしか上がっていない。新舗装の路面は依然としてグリップレベルが非常に低く、グレイニングが懸念される。さらに土曜までに比べて風が強く、マシン挙動に与える影響が懸念されるなかでの決勝スタートに。降水確率は40%、小雨がパラつき始めるなかでのスタートとなった。
Q3進出組のなかではメルセデスAMG勢とシャルル・ルクレール(フェラーリ)だけがミディアムタイヤを履き、それ以外はソフトタイヤ。予選11番手以下では17番手のキミ・ライコネン(アルファロメオ)がソフト、19番手のケビン・マグヌッセン(ハース)がハードを履いた以外は全車がミディアムタイヤで決勝のスタートに臨んだ。
スタートではハミルトンがトップを守り、出遅れたバルテリ・ボッタス(メルセデス)の前にターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が出たものの、ターン3でインを突いてボッタスが2番手を奪い返す。続くターン4でフェルスタッペンのアウトからセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が並び掛けるものの、接触してスピンし最後尾に後退してしまった。そこでピットインしてミディアムタイヤに履き替えてフリーエアで追い上げを図る。
セクター2ではやや雨脚が強く、ミディアムタイヤのメルセデスAMG勢はペースダウン。ターン8でボッタスがハミルトンをパスして首位へ。ここでソフトタイヤのマクラーレン勢が好走を見せ、ターン10〜11ではカルロス・サインツJr.がアウトから前に出てトップに立つ。
このトリッキーなコンディション下でソフトタイヤスタートのライコネンはアグレッシブな走りで6番手まで浮上してきた。ランド・ノリス(マクラーレン)もフェルスタッペンをパスして4番手に上がるが、雨が弱まると5周目のターン1でフェルスタッペンは4番手を取り戻す。さらに6周目のターン1ではボッタスがサインツJr.を抜いて首位を奪い返し、翌周ハミルトンもサインツJr.をパス。フェルスタッペンも8周目のターン1でディプロイメントの切れたサインツJr.をDRSを使ってパスし3番手に戻った。
これでオーダーは首位ボッタス、2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペン、4番手サインツJr.、5番手ノリス、6番手ライコネンという順。しかし路面が完全に乾いてくるとライコネンはポジションを落とし、5番手にルクレール、6番手ノリス、7番手ダニエル・リカルド(ルノー)、8番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)という順になる。10周目にはガスリーがリカルドを抜いて7番手に上がった。
トラックリミットを守るのは難しく、10周目を迎える頃にはすでにランス・ストロール(レーシングポイント)が3度目のリミット違反で黒白旗を受ける。
ソフト勢は想定よりも早く左フロントのグリップ低下でペースが落ち、11周目にはルクレールがマクラーレン勢を抜いて4番手へ。ミディアムのストロールも入賞圏内に駒を進めてくる。ライコネンは11周目にはピットインを余儀なくされた。しかしガスリーはソフトタイヤながらグレイニングを上手く抑えてノリスをパスし6番手に浮上してきた。
14周目にはリカルドがピットイン。1ストップ作戦で走り切ることは諦め、ハードタイヤではなくミディアムタイヤに履き替える。
18周目のターン1でストロールがアウトからノリスを抜きにかかるが、僅かに接触してスピンオフし11番手まで後退してしまう。これで5秒加算ペナルティが科され、ストロールはその後トラックリミット違反4回でさらに5秒加算ペナルティを受けてしまう。ノリスはフロントウイングにダメージを負ってピットインを強いられ、ハードタイヤに履き替えて最後まで走り切る1ストップ作戦に賭ける。翌周ピットインしたアルボンはミディアムタイヤに交換した。