フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1第15戦バーレーンGP序盤にロマン・グロージャン(ハース)の大事故が起きた際、トラックサイドのアームコ社のバリアが果たした役割を批判しており、また事故直後のメディアの報道にも不満を持っている。
グロージャンは決勝レースの1周目に3コーナーでダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)に接触した後、トラック右手側のバリアに衝突。その衝撃でマシンはふたつに裂け、漏れ出した燃料が発火した。
火が消えた後の現場のビデオ映像を見ると、ハースのマシンはガードレールの間に大きな穴を開けていることが分かった。つまりグロージャンの命は、コクピット保護システムのヘイローおよびサバイバルセルによってほぼ確実に守られたことになる。
グロージャンはマーシャルやメディカルチームの助けによって、マシンから脱出して炎から逃れることができた。その後3日寛に渡って入院し、奇跡的に軽傷ですんだ怪我の治療を受け、12月2日(水)に退院。今後も両手のやけどの治療を継続するという。
ベッテルはレース終了後、『Sky Sports F1』に「僕はそうしたくなかったので、あの映像を多くは見ていないが、一番重要なことは彼が脱出できたことだ」と語った。
「最初は(何が起きたのか)分からなかった。そしてはっきりと炎を見た。その後、彼が脱出できたのか何度も尋ねたが、彼ら(チーム)は分からないと言った。胸騒ぎがしたよ」
「僕がマシンを降りた後、彼が無事だということが分かった。それがこの日の一番重要なメッセージだ。彼ができるだけ良い状態であることを願っている。彼がどのようにして脱出できたのかは分からない。マシンはすぐに火に包まれたようだからね」
「なぜマシンがすぐに発火したのだろう。ガードレールが原因かもしれない。把握すべきことは多いと思う」
「ガードレールがあのように壊れるべきではないことは明らかだ。あれは起きるべきではなかったことだ。ガードレールはマシンをそらせるためにあそこにあるんだ。なぜそうならなかったのか分からない」
「過去に比べてマシンがより安全なものになっていたのはよかった。でもガードレールが壊れるべきではないし、マシンもあのように出火するべきではないんだ」
「あそこで何が起きたのか分からないよ。今の時点で話すのは難しいと思う。一番重要なことは、彼が無事だったことであるのは明らかだ」