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F1 ニュース

投稿日: 2020.12.30 08:00
更新日: 2020.12.30 01:36

楽勝ではなかったメルセデス陣営。13人が表彰台に乗ったエキサイティングなシーズン/2020年レビュー(1)

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F1 | 楽勝ではなかったメルセデス陣営。13人が表彰台に乗ったエキサイティングなシーズン/2020年レビュー(1)

 わずか6カ月の間に17戦を戦い抜いた2020年シーズンのF1。メルセデスがコンストラクターズ選手権で7連覇を達成し、ルイス・ハミルトンは最多タイ記録に並ぶ7度目のタイトルを手にした。

 メルセデスとハミルトンが圧倒的な実力を見せつけた一方で、今年はF1初優勝を挙げたドライバー、あるいはF1で初めて表彰台を獲得したドライバーが誕生したりと、表彰台の顔ぶれに変化があった。そしてF1直下のFIA-F2では角田裕毅が躍進し、2021年のF1デビューを決めた。この半年の間に様々な話題があったが、そんな2020年シーズンをF1ジャーナリストの米家峰起氏が振り返る。

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 2020年シーズンはとにかくルイス・ハミルトン(メルセデス)が記録を更新し続けた1年だった。

 ミハエル・シューマッハーに並ぶ7度目のドライバーズタイトル獲得を筆頭に、優勝回数でもシューマッハを抜いて95回まで記録を伸ばした(シューマッハは91回)。表彰台回数165回(同155回)、入賞回数でも229回(同221回)と史上最多を更新し、ポールポジション獲得は98回まで伸ばした。

 これら史上最多記録の更新と17戦11勝という記録が物語るように、2020年はハミルトンの圧勝だった。しかしそれが楽勝のように見えて実際にはそうではなかったこともまた事実だった。

 第14戦トルコGPの難しいコンディションのなかでは、誰よりも巧みにタイヤマネージメントをやり遂げ、攻守のメリハリの効いたドライビングで下位から追い上げて勝利をもぎ取った。ポールポジションから独走して勝てるのは、マシンの速さのみならずこうしたマネージメント能力を遺憾なく発揮しているからだということだ。ポールポジションからスタートすればそれが見えづらいが、トルコGPのような展開では彼が普段のレースでいかに巧みなドライビングとレースの組み立てをしているかということがはっきりと見えた。

2020年F1第14戦トルコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝、7度目のタイトルを獲得
2020年F1第14戦トルコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝、7度目のタイトルを獲得

 その一方で、新型コロナウイルス感染から復帰した第17戦アブダビGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)には遠く及ばず3位に終わった。体調が完璧でなければハミルトンらしいレースができないということは、それだけ普段のレースでは高いレベルで身体能力を発揮している、そうでなければあのような独走劇は演じることができないということだ。

 メルセデスAMGのマシンもチーム力ももちろん素晴らしかった。しかし最終戦アブダビGPの決勝フィニッシュ直後にピーター・ボニントンが「1年間を通して苦しみ続けたけど、僕らは良くやった」と無線で述べたとおり、実際には外から見えるほど完璧なクルマでもなければ、楽勝のシーズンでもなかったということだ。

 アブダビGPではタイヤの温度を上手く管理できず、予選でも決勝でもフロントタイヤが機能せず回頭性が発揮できずに大不振に陥った。実は2020年型W11は2019年型に比べると低速域での回頭性というアドバンテージは小さくなっており、フロントタイヤに厳しいサーキットでは苦戦を強いられてきた。

 第4戦イギリスGPの左フロントタイヤバーストや翌週の敗北がその好例だが、バルセロナやスパ・フランコルシャン、ムジェロ、ニュルブルクリンク、アルガルベ、イモラ、イスタンブールパークのようにフロントリミテッドのサーキットではレッドブルとの差が小さくなり、ボッタスも苦戦する傾向にあった。

 それを上手く対処し勝ち星を拾ってきたのがハミルトンだった。外からは楽勝に見えたが、誰よりも努力し成果を上げたからこその11勝と幾多の記録更新だったこともまた事実であり、名実ともに史上最強のF1ドライバーと認められてしかるべき走りを見せたシーズンだった。

2020年F1第14戦トルコGP表彰台 3位セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、優勝ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2位セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2020年F1第14戦トルコGP表彰台 3位セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、優勝ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2位セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPでメルセデスがタイトル7連覇を確定
2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPでメルセデスがタイトル7連覇を確定

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