事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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メルセデスF1に近い筋によれば、ルイス・ハミルトンとチームは今週後半にも新たなドライバー契約を発表したいと目論んでいる。交渉の進ちょく状況についてイギリスの日刊紙を中心に様々な憶測が飛び交っているなかで、7度の世界王者とトト・ウォルフとの話し合いは、いくつかの領域において、それらの報道よりもはるかに先の段階まで進んでいるという。
契約年数、基本給とボーナス、チームメイト選定に関する拒否権の行使といった基本条項については合意に至ったとみられ、現在は双方の代理人弁護士が残された法的障害を取り除き、両者が満足してサインできる契約書に仕上げるため作業を詰めている段階だ。
ハミルトンの新たな契約は2022年末まで有効で、3年目も継続させるオプション権はドライバー側が有する。しかし、権利行使の最終期限について、ハミルトンは2022年8月末を主張しているのに対して、チームはそれよりも数か月前のヨーロッパラウンド開始時期を想定している。
ハミルトンがその年いっぱいでの引退を望んだ場合、ドライバー市場で彼の後任を探す際に優位に立ちたいためだ。金銭面では、ハミルトン自身がチームに持ち込んだトミー・ヒルフィガーとのパートナーシップ契約に伴う割当を受けることは特筆しておくべきだろう。
しかし、ハミルトンの要求額とメルセデスが支払おうと考えている額との間には数百万ユーロもの違いが残っているようだ。それでも、契約としては基本的合意に至っており。発表は今週末までに行われるとみられる。
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