3月14日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでの2021年F1プレシーズンテストが3日目最終日を迎え、10チーム18人のドライバーが走行した。全チームが、開幕戦バーレーンGPに向けたニューマシンの仕上げを行った。
■メルセデス(W12)
午前セッション担当のバルテリ・ボッタスはロングランのセッティングやバランス改善の作業を行い、86周を走り、1分32秒406(C2タイヤ)で16番手。午後に走ったルイス・ハミルトンは、ロングランと予選シミュレーションを行い、54周のなかで記録した1分30秒025(C5タイヤ)で5番手にとどまった。
ボッタスは、「まだ完全に快適には感じないが、前進している。このマシンもチームもタイトルに挑戦するポテンシャルはあると確信している。今の時点でパフォーマンスの点で理想的とは思っていないが、いずれそうなる」とコメントした。
ハミルトンは、「元々テストはあまり好きではないんだが、今年はもっとテスト期間が長ければよかったのにと思う。なにしろやることが山のようにあるからね」と語った。
「今日多少は改善したが、まだ望んでいるような状態ではない。どこのエリアがというより、ラップ全体を改善する必要があると感じる」
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは「燃料を多く積んだ状態でのマシンバランスは多少向上し、予測しやすい挙動になった」とテストを振り返った。
「ただ、この数日のデータから判断すると、レースペースではレッドブルほどの速さがない。燃料を軽くした状態では、状況がより判断しづらい。ペースの向上が十分ではないので、調査する必要がある。今日はたくさんのマシンが我々よりも優れたペースを示していた」
■レッドブル・ホンダ(RB16B)
午前セッションではセルジオ・ペレスが走り、49周のなかで、1分30秒187(C4タイヤ)で午前セッションでは最速、この日全体の8番手となった。午後のマックス・フェルスタッペンは1分28秒960(C4タイヤ)をマーク、全ドライバー中唯一1分28秒台に入り、3日間総合のトップに立った。
最終日のこの日、チームはマシンの最適化に取り組み、ショートランを行い、セットアップアイテムを試したということで、ヘッド・オブ・レースエンジニアリングのギヨーム・ロケリンは、「ポジティブなテスト期間だった。優れた基礎を築くことができたので、2週間後のバーレーンGPが楽しみだ」と語っている。
■マクラーレン・メルセデス(MCL35M)
午前担当のランド・ノリスは56周を走り、1分30秒661(C3タイヤ)で11番手。午後に登場したダニエル・リカルドは76周を走りこみ、1分30秒144(C4タイヤ)で7番手となった。
ノリスはいくつかの問題に悩まされたがそこから学ぶことができたと語り、リカルドは、大きな問題も懸念もなくとてもスムーズに3日間のテストを終えることができたと振り返った。
■アストンマーティン・メルセデス(AMR21)
午前にはランス・ストロールが走り、80周のなかで1分36秒100(C3タイヤ)をマークし、18番手。午後にはセバスチャン・ベッテルが登場したが、前日に続き再びトラブルに見舞われ、走行を早めに切り上げることとなった。チームはトラブルについてブースト圧の低下と説明している。ベッテルは56周を走り、1分35秒041(C3タイヤ)で17番手で、アストンマーティンのふたりはタイムシートの最下位を占める結果となった。
■アルピーヌ(A521)
午前にエステバン・オコンが走行、61周のなかで記録した1分31秒310(C3タイヤ)で13番手となった。午後はフェルナンド・アロンソが担当、78周を走りこみ、1分30秒318(C4タイヤ)で9番手だった。
エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキーは、大きな問題もなく、1日130周の目標を達成、パフォーマンス改善が見られたと語っている。