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F1 ニュース

投稿日: 2021.03.20 08:00
更新日: 2021.03.19 14:03

怪我の不安を払拭したアロンソと、上々の滑り出しを見せたアルピーヌ/F1開幕直前チーム分析(4)

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F1 | 怪我の不安を払拭したアロンソと、上々の滑り出しを見せたアルピーヌ/F1開幕直前チーム分析(4)

 ルノー本社主導のイメージ戦略により、昨年までのF1ルノー・ワークスには、今季『アルピーヌ』のチーム名が冠せられた。

 これに伴い、ボディワークの塗装も以前のイエロー基調からブルー地に赤白をあしらったフランス国旗をイメージさせるトリコロールカラーに一新された。F1活動におけるルノーの呼称は、パワーユニット名にのみ継続となる。

 だがそれよりも、ファンの視線を一身に浴びることになりそうなのは、やはりあの男の存在だ。2年のブランクを経て、フェルナンド・アロンソがF1のフィールドに戻ってくる。かつて2005~06年に2度の世界王座をともにした、両者が手を組むのは12年ぶりだ。

 そのアロンソはトヨタとのWEC(世界耐久選手権)参戦始め、2年間で精力的に別カテゴリーの走りを経験した。ル・マン24時間レースに2回勝ち、WECタイトルも獲得。すなわち、モータースポーツの第一線を退いていたわけではない。ただ、今年の7月末には40歳を迎える。どれだけやれるのか、加齢の不安はつきまとう。

 アルピーヌの2021年型マシン『A521』発表会にアロンソの姿はなく、映像だけの登場に留まった。シェイクダウンもエステバン・オコンに任せた。2月の自転車トレーニング中に自動車との接触事故があり、上顎を骨折。その治療期間とリハビリ、再起へ向けたトレーニングに充てていたからだ。

 A521の初日テストはオコンの担当だったものの、アロンソは無事会場に姿を見せ、危惧の声を一掃する。チームはA521を前年型ルノーの正常進化型とし、具体的な目標を昨季も獲得のあった表彰台に置く。だがサイドポンツーン等には前年型とは異なる思想の攻めたデザインが見られ、さらなる前進を目指す気配は充満する。

 オコンが走らせたA521は初日からトラブルなく129周のマイレージを稼ぎ、午後にはC4タイヤを履いて3番手のタイムを出した。「間違いなくいい1日だった」と、オコンは息を弾ませた。

2021年F1プレシーズンテスト3日目 フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコン(アルピーヌ)
2021年F1プレシーズンテスト3日目 フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコン(アルピーヌ)

 そして2日目が、アロンソのA521初ドライブとなる。まず午前中はタイヤはC2とC3タイヤの2種を選択。このうち硬い側のC2タイヤで2番手タイムをマークするという、上々の滑り出しだ。腕の錆びは感じられない。

 午後を迎えて前日オコンのプログラムと異なったのは、タイヤを軟らかい側に寄せてのアタックは行なわず、黙々とロングランに専念した点だ。そのためタイムの更新はなく10番手まで下がってしまったものの、「クルマのフィーリングは良かった」と語っている。とにかく距離を稼ぐ、それがチームとアロンソの選択で、A521はこの日も128ラップの周回を記録した。

 最終日はオコンが午前、アロンソが午後の走行を担当するスケジュールで臨む。だがこのテスト期間中におけるチームの方針は一貫しており、午前中にオコンが61周、午後アロンソは78周と計139ラップを走り込んだ。

 アロンソはこの日になって初めてソフト寄りのC4タイヤを試したが、アタックへの関心は示さず、タイムは同日で9、3日間を通じての10番手に留まっている。

 オコンのベストは砂嵐が吹き荒れて、コンディションの悪かった初日午後。以降アルピーヌが予選シミュレーション的な作業を行なうことはなかった。A521の一発の速さについて、確証的な材料は何もない。謎に包まれたままで、開幕が近づく。それこそが、チームの選んだ戦略面の手立てなのだろう。フランスの雄のリブランド新出発は、不気味さ満載だ。ドライバーたちの第一声は、いずれもポジティブなサインを示している。

2021年F1プレシーズンテスト2日目 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)


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