ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回は開幕前にバーレーンで行われたプレシーズンテスト総括を甘口の視点でジャッジ。
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2021年で最初で最後のF1プレシーズンテストを終えた直後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、3日間のテストをこう振り返った。
「3日間通して、ホンダPUを搭載したレッドブルとアルファタウリの2チームが大きなトラブルを発生させることなく、順調に周回して、プログラムも消化できました。ただ、周回を重ねただけでなく、われわれPU側と車体側もいろいろとセッティングを変えて、それぞれの応答を見ることができたので、中身の濃いテストになったと思います。したがって、今回のテストは3日間が1度だけという制限がありましたが、ヨーロッパよりも温かいバーレーンで3日間しっかり走ることができたことは良かったです」
今年のプレシーズンテストは近年では最も少ない3日間だけだった。2020年のプレシーズンテストも、史上最多となる全22戦となることを考慮して、それまでの4日間×2回の合計8日間から、3日間のテストを2回の合計6日間に短縮されていた。それが今年は昨年の半分となる3日間だけとなった。今回のホンダの総走行距離はレッドブルとアルファタウリの2チームで791周、4280kmだった。2020年が1549周と7211kmだから、約半分に減ったこととなる。
そうなると、トラブルなく走り続けたとしても、テスト期間中に信頼・耐久性の確認を行うことはできない。「信頼性を実際に確認するには6000kmを3日で割って1日2000km走らなければならないので、それは不可能」と田辺TDは語る。
そこでホンダは、「条件を絞って、見極める」よう、テストのプログラムを変更した。アルファタウリは10チーム中、最も多くの周回数を走行した一方で、大きなトラブルがあったわけでないのに、レッドブルが3日間で369周、走行距離にして1997kmと10チーム中7番目だったのは、量より質を重視していたからかもしれない。