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F1 ニュース

投稿日: 2021.03.25 11:53
更新日: 2021.03.25 11:56

【角田裕毅を海外ライターが斬る】テスト編:DRSを早々に開けてアタック。何でも試す、その意気やよし!

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F1 | 【角田裕毅を海外ライターが斬る】テスト編:DRSを早々に開けてアタック。何でも試す、その意気やよし!

 2021年に7年ぶりに日本人F1ドライバーが登場した。アルファタウリ・ホンダからF1にデビューする角田裕毅だ。極めて高い評価を受け、大きな期待を担う角田を、海外の関係者はどう見ているのか。今は引退の身だが、モータースポーツ界で長年を過ごし、チームオーナーやコメンテーターを務めた経験もあるというエディ・エディントン(仮名)が、豊富な経験をもとに、忌憚のない意見をぶつける。

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 若さゆえの生意気さ、私はそれを見るのが大好きだ。力のあるドライバーは退屈なロボットでは決してない。何時間も膨大なテレメトリーデータを分析したり、チームメイトに負けていたら、相手の真似をしてコーナーAとかシケインBで時間を失わないようシミュレーターで試してみたり、そういったことには時間を費やさないのだ。

 創意工夫する力がある少年たちがいる。たとえばバーレーンテストでの角田裕毅がそうだった。日曜終盤にベストラップをマークした際、彼はピットストレートに入る際のDRSゾーンの150メートルも手前でDRSを手動でアクティベートし、0.1秒かそこらを稼いでいた(テストではそれは規則違反ではない)。それっぽっち、と思うかもしれないが、本番ではどれほどわずかなタイムも重要になる。彼のしていたことに気付かなかったとしても、全体の2番手タイムをたたき出したことには誰もが注目したことだろう。

2021年F1プレシーズンテスト3日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト3日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 ドライバーたるもの、どのような状況であれ──それがテスト、プラクティス、予選、レース、チャンピオンシップ──であれ、ライバルたちに勝つ方法を見つけるためあらゆる可能性を探らなければならない、と私は考える。もちろん、安全かつクリーンなやり方でなければならないが、「ルールは破るためにある」といった心持ちで立ち向かっていく負けん気の強さが、ドライバーには必要なのだ。そういう気概を持っているかどうかが、たとえばセナ、シューマッハー、アロンソ、ハミルトンなどのグループと、フィジケラ、ブランドル、ヒル、バリチェロのようなグループとの決定的な違いだ。かつて私がモータースポーツ界で働いていたころ、自分の車に乗せるドライバーの条件は、目標達成のための手段をしゃかりきになって探る姿勢を持っていることだった。

 もちろん、そういうやり方をしていると、悲惨なことが起こる可能性もある。ホイール同士をぶつけ合ったり、ライバル相手にブレーキテストをしたり、相手をコースから押し出したりしたものなら、ひどい結末に終わりかねない。それでも、勝つために必要なことはやらなければならない。勝つことが何より重要なのだから。

 かつてF3チームオーナーだった時代を思い出した。あるブラジル人がいて……。おっと脱線しそうになった。話しながら常に次のことを考える質なので、すぐこうなってしまう。

■次のページへ:角田には偉大なチャンピオンたちと共通するものがある


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