フェラーリのカルロス・サインツJr.は、2014年のある出来事によって、4度の世界チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルにより大きな敬意を抱くようになったという。それはベッテルがレッドブルからフェラーリに移籍する際のことだった。
当時、サインツはトロロッソでF1デビューシーズンを迎える直前だった。一方のベッテルは、フェラーリでキャリアの新たな章を開くところだった。
ベッテルはフェラーリへの移籍を前に、共に大きな成功を成し遂げたスタッフ全員ひとりひとりに感謝の気持ちを伝える手紙を書いたという。当時20歳のサインツは、RB10のセットアップ向上のために働き、レースの週末にミルトンキーンズのチームのシミュレーターで膨大な時間を過ごしていた。ベッテルはそのサインツにも手紙をくれたという。
「僕はセバスチャンを心から尊敬している」とサインツはスペインのメディア『Soy Motor』に語った。
「彼はこのところ難しい時期を過ごしてきたかもしれないが、それでもF1のひとつの時代に足跡を残すことになるドライバーのひとりだと思う」
「こういうことがあった。2014年に彼がレッドブルに別れを告げた日、シミュレータードライバーだった僕に、彼は手紙をくれた」
「僕が彼とチームのためにしていたシミュレーター作業はとても重要だったと、彼は思ってくれていた。レッドブルに別れを告げる際に、彼はすべてのスタッフに、それぞれ違う内容の手紙を送るという、思いやりのある行いをした」
「オーストラリアGPの際には、僕は朝4時から何時間もかけて推奨されるセッティングを探った。そのことを彼は知っていて、僕のシミュレーター作業とそれにつぎ込んだ時間について、感謝の気持ちを伝える手紙をわざわざくれたんだ」
「それ以来、僕は彼に好感を持っている。カメラでは撮られていないかもしれないが、彼とは今も交流している」
「このことは彼には言ったことはないかもしれないけれど、いつか言うつもりだ。あれから僕は彼のことを深く尊敬している」