2021年初めての予選で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトン(メルセデス)にコンマ4秒近い大差をつけてポールポジションを獲得した。さらにアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーも、「最高の予選アタックのひとつ」と本人も言う素晴らしい走りで5番グリッドにつけた。
残念ながらセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はQ3進出は叶わなかったものの、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「開幕戦でのポール獲得は、ラストイヤーとなるホンダにとっては特に大きな励みになる」と、喜びを隠さなかった。
一方でレースに向けてはメルセデスへの警戒心は隠さず、「1987年以来の1-2-3-4フィニッシュの可能性も見えたのでは」という質問にも、「もちろん目指したいが、当時とは状況が大きく違う」と、あくまで慎重だった。
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──マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、ポールポジションを獲得しました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーも5番グリッドを獲得できました。一方で新加入のセルジオ・ペレス、ルーキーの角田裕毅選手は、Q2をミディアムタイヤでアタックしたのですが、タイムをまとめきれず、残念ながらQ3には進めませんでした。ということでトップ10に4台が入ることはできませんでしたが、全体的にはポジティブな予選結果だったと思います。
──予選で速さを見せられたことは、非常に良かったですね。
田辺TD:両チームともこの結果に、大きな手応えを感じています。
──ホンダが開幕戦でポールポジションを獲得したのは、1991年アメリカGP以来です。田辺TDは当時もレース現場にいたわけですが、開幕ポールポジションの意味合いをどう捉えてますか。
田辺TD:直前テストの終わった時点で、ぼんやりとはいえ今季の勢力図が見えていました。1年前に比べると、非常にいいポジションにいるのではないかと。もちろん実際に開幕戦になってみないとわからない部分はありましたが、蓋を開けてみたらポールを獲得できました。ポジティブにシーズンを迎えられるという意味で、開幕戦でのポール獲得は気持ち的に大きいですね。特にラストイヤーとなるホンダにとっては、大きな励みになります。
──メルセデスは苦しんでいると言われながら、さすがにポール争いに絡んできました。一方でそのメルセデスに対し、レッドブル・ホンダはコンマ4秒近い差をつけた。そこをどう見ていますか。アドバンテージは大きいと再認識できたのか、あるいは警戒心は解けないのか。
田辺TD:メルセデスは絶対に立ち止まりませんし、今回もしっかり上位に来た。警戒心を持つことで、我々も進歩していく。それが大切かなと思います。
──予選前にガスリー車のESとCEを交換しました。どういう状況でしたか。
田辺TD:両ユニットに不具合があるというデータが出て、それで交換を決めました。他の3台に関しては問題ないことが確認できています。
──今後、再使用可能かどうか、確認はレース後になりますか?
田辺TD:そうですね。レース後、データと現物確認をします。(注:ESとCSは年間2基しか使用が認められない)