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F1 ニュース

投稿日: 2021.04.05 07:00
更新日: 2021.04.03 18:48

「チェッカーフラッグを受けたときは言葉がなかった」開幕戦は最も悔しいレース週末に/ホンダF1山本MDインタビュー

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F1 | 「チェッカーフラッグを受けたときは言葉がなかった」開幕戦は最も悔しいレース週末に/ホンダF1山本MDインタビュー

 2021年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の接戦が繰り広げられた。レッドブル・ホンダはわずかの差で優勝を逃し、ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターも悔しさを隠さなかったが、それと同時に「パフォーマンス的には十分メルセデスと戦える」と第2戦以降へ向けて自信も見せた。

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──あと一歩でした。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):悔しい、残念。バーレーンでは十分に勝てるパフォーマンスがあったと思っているので、(2位で)チェッカーフラッグを受けたときは言葉がなかったです。初ポディウムや初優勝だったら、2位でも十分なんでしょうけれど、チャンピオンシップを狙っていくという意味では今日は勝てるレースを落としてしまったというのが正直な感想。悔しさがいっぱいです。

──53周目にマックス・フェルスタッペンが4コーナーでオーバーテイクした際にコースをはみ出していたので、一旦ポジションを譲りました。今日のフェルスタッペンのペースだったら、もう1回チャレンジしてもいけるのではないかと思っていたのですが、なかなか抜けませんでした。

山本MD:そうですね。やっぱり路面の状況や気温など、状況が違う。ましてや相手はメルセデス。そんなにチャンスがあるわけではないです。そういった意味ではあの1回(のオーバーテイク)がすべてだったと思います。でもクリスチャン(・ホーナー/レッドブル・ホンダのチーム代表)が言うように、(フェルスタッペンは追い抜く際に)外に出ているから、ポジションを譲ったことはフェアですよね。紳士的なレースだったと思います。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)&マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP トップの座を守り切ったルイス・ハミルトン(メルセデス)。フェルスタッペンとの差はわずか0.7秒だった

──昨年のイタリアGPから導入された予選と決勝レースの同一モードがなければ、最後はもっとエンジンを回したかったのではないですか。

山本MD:それはホンダだけでなくて、メルセデスも同じ。お互い様です。ただ今シーズンは昨シーズンとは違って、手応えを感じられたのは大きな前進です。

──惜しくも2位に終わりましたが、プレシーズンテストでの好調な走りが本物だったと、本当に手応えを感じることができました。

山本MD:テストのときから、田辺(豊治/ホンダF1テクニカルディレクター)から電話で情報をもらっていて、私はポジティブでした。バーレーンGPもフリー走行1回目から3回目までパーフェクトだったし、予選も一瞬ルイスに先を越されましたが、結果的にコンマ4秒近く離してポールを獲れた。だからクリスチャンの言葉にもあるように、非常にフェアなレースをしてあの結果だったという意味では、パフォーマンス的には十分メルセデスと戦えると思っています。

 残念だったのは、(セルジオ・)ペレス選手のトラブル。(問題の詳細については)調査中ですけど、ピットスタートから5位まで上がるというパフォーマンスを見せてくれた。今日は1対2の戦いでしたけど、本来のポジションからスタートすれば、今後2対2で戦えるのがわかった。そういった意味では開幕戦としてはまずまず。今後も戦えるなと自信が持てたレースだったと思います。

2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

──こんなレースがこれから続くとなると心臓に悪いですね。勝負をやってる方はこれを待っていたんだ、という感じですか?

山本MD:私たちはこれを待っていたという感じだけど、確かに体に良くないよね(笑)。私は今年がF1での6シーズン目で、勝った喜びも負けた悔しさもいろいろ経験してきましたが、今日は今までで一番悔しいし、一番体力的にしんどい日でした。

──本当に手に汗握る熱戦でした。

山本MD:もちろんいいレースでしたし、マックスもチームもみんな頑張って非常にいいレースだったから、その点では言うことはないけれど、一番フラストレーションが溜まったという表現が正しいのかもしれません。ただ唯一戦えるなということが見えたので、きっちりレッドブルとミーティングしながら次の対策を打って、またパフォーマンスを上げられるように努力して、2戦目を迎えないといけない。相手は7年連続チャンピオンのドライバーもいるし総合力も高いので、チャレンジャーとして臨みたいです。

──最後に、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)選手は、日本人として初めてとなるF1デビュー戦でのポイント獲得でした。

山本MD:FIA-F3から現場で彼のレースをずっと見てきて、今日もグリッドで彼がヘルメットを脱いだ後、ちょっと話したけれど、初めてちょっと緊張しているかなと感じました。「どう?」って聞いたら、彼は「初めてのF1ですけど、そんなに緊張してないんですよね」と言っていたけれど、角田くんの緊張した表情を初めて見ました。

 だから、本人には「ルーキーなんだから、デビュー戦をチャレンジングに楽しんでこい」と言ったら、「わかりました」といい声で返事をしてくれました。結果的に堅実ないいレースをしたと思います。9位でチェッカーを受けてポイントを獲得してくれて嬉しかったです。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


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