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F1 ニュース

投稿日: 2021.05.18 06:10
更新日: 2021.05.18 06:16

英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:実力でウイリアムズに勝ったシューマッハー。試練に耐えるマゼピンに不当な非難も

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F1 | 英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:実力でウイリアムズに勝ったシューマッハー。試練に耐えるマゼピンに不当な非難も

 2021年F1にデビューしたミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンは、ともにハースF1チームで初めてのシーズンを送っている。ふたりはどのように学び、つまずき、成長していくのか。キャラクターの異なるふたりのルーキーのデビューシーズンを、英国人ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が観察していく。今回は第3戦ポルトガルと第4戦スペイン編だ。

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 2021年に大きな結果を出すことは期待していないだろうハースだが、この2戦は心強い週末が続いた。

 第1戦、第2戦とルーキーふたりはミスをした。チームが小さな期待をかけていたミック・シューマッハーもイモラでクラッシュしている。だがポルトガルはまずまずの週末になった。

 シューマッハーは予選で好調さを維持し、ウイリアムズのニコラス・ラティフィの0.2秒差以内に入ってみせた。ニキータ・マゼピンは、プラクティスでスピンをする場面も見られたが、その後は少なくとも大きなミスはなかった。そして日曜は非常にポジティブな展開になった。

 シューマッハーは序盤のバトルの後、セーフティカー出動後、マゼピンの前をキープし、いいペースで走行、前のウイリアムズに挑むべく走り続けた。ハースにとっては予想外のことだった。ウイリアムズは風の強いコンディションで非常に苦労していたが、ハースのふたりはそれに比べるとマシンを多少うまくコントロールすることができていたのだ。

 ルーキーふたりを乗りづらいマシンで走らせているチームにとって、これはポジティブな兆候だ。ふたりは少しずつ経験を積み、レース走行においての限界を把握し、以前より快適に走れるようになってきたようだ。

 シューマッハーはゆっくりと着実にラティフィに近づき、どう対処するのが一番いいのか、レースエンジニアからアドバイスを受けながら、ウイリアムズの後ろで様子をうかがい続けた。

 シューマッハーはチャンスを待ちながら走るなかで、少しギャップをあけてタイヤを冷やすべきタイミングもよく分かっていた。チーム代表ギュンター・シュタイナーは彼のレースに大いに感心したという。少し置いて行かれる時もあったが、すぐにまた後ろに戻り、そうしているうちに、ラティフィはミスをした。

2021年F1第3戦ポルトガルGP ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)とミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1第3戦ポルトガルGP ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)とミック・シューマッハー(ハース)

 ラティフィがターン3でワイドになったチャンスを逃さず、シューマッハーは追い越し、その後はラティフィを引き離していった。シューマッハーにとっては今後につながるレースになったといえる。

 マゼピンの方は、トラフィックに関してチームからの警告が適切になされなかったため、反応することができず、周回遅れにしようと近づいてきたセルジオ・ペレスを抑えつけたとみなされてペナルティを受けた。それ以外は大きな事件のないレースで、ハースにとってはポジティブな週末だった。今年他のマシンをペースで破ったのはこれが初めてだった。

■次のページへ:2戦連続でペナルティを受けたマゼピン


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