ルイス・ハミルトンが逆転でタイトルを獲得するために、最終戦アブダビGPで行ったレース戦術について、いまだにさまざまな議論が繰り広げられている。
しかし、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは「ルイスがあのような戦術を採ることは事前に予想できたし、理解できる」とハミルトンを擁護し、次のように続けた。
「ルイスが逆転でチャンピオンになるためには、単に優勝するだけでなく、チームメートのロズベルグが4位以下でフィニッシュしなければならなかったわけだから、ペースコントロールする必要があった。サッカーでいえば、ディフェンダーがボールを自陣で回すようなもの。それもゲームのひとつさ」
さらに、そのような戦術を採ったハミルトンへの対応を検討しているメルセデスAMGに対して、皮肉を込めてこう批判した。
「トトが自分のチーム内だけでなく、他チームのドライバーも含めて、パドックのあらゆることをコントロールしたがっているのは、いまに始まったことではない。そんなルイスをコントロールしたかったのなら、われわれのチームのドライバーの父親に電話なんかするよりも、直接、自分のドライバーと話せばよかったのにね」
ハミルトンの戦術については、チームメートのニコ・ロズベルグも「想像はしていなかったけれど、理解はできる」と語っている。
では、なぜメルセデスAMGの首脳陣は、頭を悩ませているのか。それは、ハミルトンがとった戦術は、メルセデスAMGのレース哲学に背く行為だったからである。