レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2021.06.11 07:56
更新日: 2021.06.11 08:04

“ブレーキマジック”ボタンの誤操作に泣いたメルセデスF1、再発防止のためシステム改良へ

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | “ブレーキマジック”ボタンの誤操作に泣いたメルセデスF1、再発防止のためシステム改良へ

 F1第6戦アゼルバイジャンGPでのルイス・ハミルトンのミスを受け、メルセデスF1チームは、“ブレーキマジック”が不用意に作動するのを防止するため、次戦に向けてシステムを見直すことを決めた。

 メルセデスの“ブレーキマジック”は、フロントタイヤを温めるためにブレーキバイアスの設定を変更するもので、ボタンがステアリングホイールについている。ハミルトンは、赤旗後のリスタート時、2番手からトップ浮上を狙ったが、気付かないうちにこのボタンに触れたことでターン1でロックして直進。15番手に後退し、ノーポイントに終わった。

“ブレーキマジック”について、テクノロジーディレクターを務めるマイク・エリオットは、次のように説明している。

「“ブレーキマジック”と呼んでいるこのボタンは、ドライバーが押すと、ブレーキに熱を入れられるものだ」とエリオットは、チームが発表した動画のなかで語った。

「一番大きな働きは、ブレーキバランスを変化させることだ。つまりフロントブレーキのエネルギーとリヤブレーキのエネルギーの割合を変えて、できる限り前に持ってくる」

「それによって、フロントブレーキに熱を入れ、タイヤとリムにも熱が入るというわけだ」

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP 2番手で終盤のリスタートを迎えたルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ハミルトンは通常どおり正しい手順でリスタートを迎えたものの、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)と首位を争うなかで、気付かないうちにボタンを触ってしまったと、エリオットは述べている。

「ルイスはすべてのことを正しく行っていた。マシンをグリッドにつけ、オフにすべきボタンやセッティングをすべてオフにし、オンにすべきすべてのものをオンにしていた。そうしてレースを正しくスタートする準備ができていた」とエリオットは言う。

「素晴らしいスタートを切って、ペレスに並びかけた。ルイスとペレスが順位を競っているなかで、(ペレスが寄ってきたために)ルイスは急遽進路を変え、その際にマジックボタンに触れてしまったのだ。しかし彼自身はボタンに触ったことに気付かなかった。そのため、問題が発生することを全く予期していなかった」

「彼は通常ブレーキングする位置でブレーキングした。その時には、ブレーキバランスが完全に前にシフトしている状態で、フロントタイヤに荷重がかかり、その結果タイヤがロックし、彼は直進するのを避けることができなかった」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 レース後、ハミルトンは自身のミスであると述べ、チャンピオンシップのリードをマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)から取り戻すチャンスをふいにしたことに打ちひしがれていた。

 しかしエリオットは、このような問題が起こり得る位置にボタンを設置したメルセデスにも責任があり、改良を行う必要があると述べている。

「ルイスと話したところ、彼は責任の大部分は自分にあると考えていた。だが実際にはルイスはめったにミスをしない。その点では一部の他のドライバーたちとは一線を画している」

「彼がさらにミスをしづらいようなマシンを用意することが我々の務めだ。その責任を担い、どのように改善できるのかを調べる必要がある。その作業を次戦までに実施するつもりだ」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

関連のニュース

F1 関連ドライバー

F1 関連チーム