2021年F1第7戦フランスGPの予選は、開幕戦以来となるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポールポジションを獲得。モナコ、アゼルバイジャンという直近2戦の市街地コースで速さを発揮しながら、赤旗中断でポールポジションを逃してきただけに、「全ドライバーがきちんとアタックした状態でのポールポジション奪取の意味は大きい」と、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは総括した。
一昨年まで苦戦したパワーサーキットのポール・リカールでの予選結果に、ホンダの技術陣がいっそう自信を深めたことは確かだ。「(高速の)セクター2では、ホンダにかなわなかった」というルイス・ハミルトン(メルセデス)のコメントに対して田辺テクニカルディレクターは、「ホンダに勝てないという言い方は間違っていますね。レッドブル・ホンダに勝てないというのならわかりますが」と、余裕の返しをしていた。
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──予選の総括からお願いします。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):(マックス・)フェルスタッペンがポールポジション、(セルジオ・)ペレスはちょっと失敗したこともあり4番手でした。真ん中に2台のメルセデスを挟む形になりましたが、まずはポールポジションを獲れてよかったです。(ピエール・)ガスリーも6番手、この3戦は予選ですべて6番グリッド以内と好調です。
残念ながら角田(裕毅)はQ1開始早々にバリアにぶつかってしまいました。パワーユニットに関してはダメージはありませんが、グリッド最下位になりました。ペース自体は悪くないので、決勝レースではきっちり走ってもらえればと思います。
──フェルスタッペンの今回のポールポジション獲得にはどんな意味があると捉えていますか?
田辺TD:モナコ、アゼルバイジャンでも速さはあったのですが、いずれもQ3での赤旗中断に阻まれてしまいました。それが今回は全ドライバーがきちんとアタックできました。そこでポールポジションを獲れた意味は大きいと思います。本人(フェルスタッペン)も過去2戦はフラストレーションのたまるQ3だったと思いますが、そこはよかったです。
もうひとつは、市街地コースだけでなく、パーマネントコースでも速さを発揮できたことですね。フェルスタッペンのポールポジションだけでなく、3台がトップ6内に入りました。もちろんレースの結果がすべてですが、3連戦最初の予選としては悪くなかったです。
──ペレスがQ3の1回目アタックで、「パワーのドロップがあった」と言っていました。2回目のアタックは大丈夫だったようですが、ほかの2台にも同じような症状はあったのでしょうか?
田辺TD:ありません。
──エネルギー切れのような、エネルギーマネジメント系の問題だったのですか?
田辺TD:違います。