36年ぶりに復活した2021年F1第13戦オランダGPをマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポール・トゥ・ウインで制し、ドライバーズ選手権でもルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜いて再び首位に立った。しかしメルセデスが2、3位に入ったこともあって、コンストラクターズ選手権では逆にリードを広げられた。
今回は地元の熱い声援を受けてフェルスタッペンが圧勝したものの、次戦イタリアGPは現行パワーユニットでレッドブルは勝ったことがなく、その次のロシアGPに至ってはメルセデスが全勝している。ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターは「最善の準備を重ねてレースに臨む」としつつも、「思いどおりにはいかないだろう」と、シーズン後半も厳しい戦いが続くことを覚悟しているようだった。
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──母国グランプリでマックス・フェルスタッペンが優勝を果たしました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):ポールポジションからのスタートもきちんと決まり、その後はハミルトンにピタリと付けられる展開でしたが、チームが立てたレース戦略もしっかりと機能して優勝に結びつきました。非常にうれしく思っています。
──サーキットの雰囲気も素晴らしかったですね。
田辺TD:多くのファンが熱い声援を送ってくれて、それも大きな力になりました。ひとつ感じたのは、マックスだけを応援していたというより、レースをみんなで楽しみ、表彰式がそうでしたが、すべての選手、スタッフにエールを送っていました。そんな温かく、素晴らしい雰囲気のレースでしたし、そこでマックスが勝てたのは本当によかったと思います。
──ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)も4位入賞でした。
田辺TD:予選4番手からの4位フィニッシュ。レースペースが非常に安定して速かったです。前の3台にはさすがに追いつきませんでしたが、中団グループとの戦いでは強さを見せていました。これまでは予選で速さを見せてもレースで失速することがあっただけに、今後の戦いを占う意味でもすばらしいレースでした。
──セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)の追い上げもすごかったです。
田辺TD:昨日の予選Q1敗退後にバッテリー交換を決断し、仕様違いのパーツ交換ということでペナルティを受け、ピットレーンスタートになりました。ハードタイヤで戦う戦略だったのですが、(ブレーキングで)タイヤをロックしてダメにしてしまいました。しかし、そこからは素晴らしい追い上げで8位入賞。これだけ抜きにくいサーキットで、あれだけ多くのオーバーテイクを見せてくれたのはさすがでした。