マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の母国レースとなった2021年F1第13戦オランダGP。フェルスタッペンはポール・トゥ・ウインで初の母国レースを制し、ドライバーズランキング首位の座を奪い返した。
ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、母国のファンの前でも仕事に集中した結果を出したフェルスタッペンに「あらためて感心したというか、感動した」という。そして集まったオレンジアーミーは「真のF1のファン、誰に対しても紳士なファン」だったと語った。
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──まずは、後半戦2連勝おめでとうございます。きちんとしたレースでの勝利は第9戦オーストリアGP以来、4戦ぶりですね。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):そうですね。夏休み前も残念なレースがありましたが、今日はマックスの母国オランダできっちりとしたレースでポール・トゥ・ウイン。メルセデスと特にルイス(・ハミルトン)とはまだまだ拮抗していますが、きっちりとしたレースができれば、今日のようなレースができることがわかりました。ベルギーのファンには申し訳ないレースとなりましたが、後半戦はこれで2連勝なので、後半としてはいいスタートになったと思います。
来週のモンツァでもしっかり戦い抜いて、チャンピオンシップ首位の座を維持していけたらと思っています。勝ったからと安心するのではなく、しっかりエンジニアに今日のデータを分析してもらい、来週に備えたいと思います。
──ドライバーズチャンピオンシップでは首位の座を奪い返しましたが、コンストラクターズの方は逆転できませんでした。
山本MD:昨日の予選では、(セルジオ・)ペレスがうまく噛み合わなかったんですけど、今日はピットレーンスタートから頑張って、8位でフィニッシュしてくれました。この力強い走りを来週のモンツァでも期待しています。コンストラクターズも来週、奪回できればいいなと思っています。
──ドライバーズチャンピオンシップですが残り9戦、いよいよカウントダウンですね。
山本MD:一戦一戦しっかりやり切っていくのがホンダとしてもレッドブルにとっても大事だと思っています。このままマックスのために全力でチームと力を合わせて総合力を発揮できるように進めたいです。
──母国グランプリで力を発揮するというのは、簡単なことではありませんが、フェルスタッペンは初めての母国グランプリで、しかもタイトル争いをしているなか、しっかりと結果を出した。山本さんは間近で見ていてどう感じていましたか。
山本MD:オランダのマックスファン、オレンジアーミーと言うんですか。オレンジ一色に染まったなかでマックス自身もプレッシャーだったと思うし、そんななかでポール・トゥ・ウイン。彼が言ってるようにドライバーがコックピットに収まったらオレンジの景色がどれだけ目に入っても、自分の仕事に集中する。そのメンタリティも含め、改めてすごいなと感心したというか、感動しました。
──僕らがイメージしているオレンジアーミーって、少し過激な感じだと思っていましたが、実際オランダでオレンジアーミーに接してみて、どんな雰囲気でしたか?
山本MD:マックスファンであることは間違いないのですが、同時に真のF1のファン、誰に対しても紳士なファンでした。F1村に対して本当にリスペクトしているファンです。そのなかで毎日、朝と帰りにゲートを通過すると、マックスコール、ホンダコールを贈っていただき本当にうれしかった。鈴鹿に帰ってきたくらいのホンダコールをいただき久々にうれしかったですね。
──SNSで拝見したのですが、ホンダコールをもらって山本さんがトンネル前でファンに手を上げて応えていましたね。
山本MD:楽しくなって、自然に手が上がった。でも、同時にこれでマックスのパワーユニットに何かトラブルでも起きたら、帰れないねって。それくらい僕らの方が緊張していました。だけどいいレースだったし、もちろんルイスとはこれからも厳しい戦いが続きますが、そんななか今回勝ち切ってくれたマックスに感謝だし、この戦いをこれからも続けられるようホンダも支えていきたいと思います。