レッドブルは、2021年F1第15戦ロシアGPでマックス・フェルスタッペンに新しいパワーユニット(PU)を投入した。最後尾からのスタートとなったフェルスタッペンだったが、終盤の雨のなかでタイヤ交換のタイミングを見極め、最終的に2位に入賞。ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、グリッド降格ペナルティのダメージを最小限に抑えることができたと考えており、4基目のPUを投入することは難しい判断だったものの、フェルスタッペンにとって最高の終わり方でグランプリを終えたと語った。
またロシアではFIA-F3が最終戦を迎え、フル参戦を終えた岩佐歩夢(ハイテックGP)について山本MDは「1年間よく頑張った」と評価。岩佐の2022年シーズンの去就はまだ決まっていないが、「何が足りなかったのか、年末に向けて反省し、来年に向けての準備もしてほしい」と述べた。
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──今回のレースは本当に何が起こるかわからない、やっている側は大変なレースだったと思いますが、ファンにとってはおもしろいレースでした。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):最後尾スタートの覚悟で、ロシアGPのFP1の後にマックス(・フェルスタッペン)に4基目を投入しましたが、レースでは途中厳しい状況になったものの、雨にも助けられ、終わってみれば2位。クリスチャン(・ホーナー/レッドブルのチーム代表)も言っていたように、本来5位前後だと思っていたところ、最終的にルイス(・ハミルトン/メルセデス)が優勝したもののマックスが2位というのは、レッドブル・ホンダにとって非常にいい終わり方をしたと思います。
ペレスは1回目のピットストップで時間がかかり、その後も実力で3番手に戻るなどいいレースをしていたものの、運がなかったです。タイヤをインターミディエイトに変えるタイミングが味方しなかった。コンストラクターズポイントを取り損ねた感はありますが、ドライバーズチャンピオンシップで言えば、マックスにとっては最高の結果だったと思います。
──グリッドペナルティによるダメージを最小限にとどめることができましたね。
山本MD:理想的です。ここでは元々メルセデスが速いことはわかっていたし、クルマのセットアップも全然違うので、メルセデスが1-2フィニッシュしても仕方がないかなと思っていました。マックスの2位は、ダメージを最小限に抑えたと言っていいでしょう。さらに我々は4基目を投入できたので、その分、優位かなと思っています。
──つまり、ペナルティがなくても3位しか狙えないのであれば、4基目を投入して5位でもよかったのですか?
山本MD:どこかで4基目を投入しなければならない。結果的にここでPUを投入した判断はよかったわけです。
──4基目を投入するという判断は、難しかったですか?
山本MD:難しい判断でした。いくつかのオプションを持っていて、FP1の状況をみながらどういうふうに持っていくか。非常に難しかったと思うし、レッドブルも最後まで考えていたというのは聞いています。