2021年F1第17戦アメリカGPの予選では前戦トルコGPに続いて、4人のホンダドライバーがトップ10入りを果たした。しかも今回はレッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジション、セルジオ・ペレスも3番グリッド獲得と、メルセデス相手に速さを見せた。
その成果を素直に喜ぶホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは一方で、メルセデスがここに来てかなり頻繁にパワーユニット交換を繰り返していることに「非常に驚いている」「エンジンメーカーにとってはかなり辛い状況だと思う」と、ライバルを慮るコメントしていた。
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──前戦トルコGPに続いて、ホンダ製パワーユニットを搭載した4台が、予選トップ10に入りました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):初日の状況を踏まえて、チームとホンダはさらなるパフォーマンス向上を進めてきました。その結果、レッドブル側はかなりいい感じに仕上がった。アルファタウリ側も昨日の状況からしたら、よくここまで来れたという印象です。4台揃ってQ3に進むのは、我々としても本当に気分の良いものです。なかでもマックス(・フェルスタッペン)は、2番手(ルイス・)ハミルトンにコンマ2秒以上の差をつけてポールポジションを獲得しました。(セルジオ・)ペレスも初日から調子がよく、僅差の3番手につけた。ふたりのドライバーの実力も含め、高い総合力を持つレッドブルの良い面が出た予選だったと思います。
──アルファタウリは初日、かなりマシンバランスに苦しんでいました。
田辺TD:はい。その状況から、夜遅くまでデータ解析を行ってセットアップを変えたことが、功を奏した感じです。
──決勝当日に向けては。
田辺TD:日曜日はさらに風が強くなる予報です。タイヤにはかなり厳しいコンディションが予想されます。角田(裕毅)選手だけは、残念ながらスタートタイヤにミディアムを選択できなかった。とはいえレースでは4台がきちんと完走し、特にマックスはポールから一番上を狙っていければと願っています。
──フェルスタッペン自身は予選後、ポールを獲れたことを非常に驚いてました。セットアップをうまくやってくれたチームに感謝しているとのことです。田辺さんはFP3まで終えた時点で、この1、3番手獲得は順当な結果だと思っていましたか。
田辺TD:まあクルマの方のセッティングもあるのでこちらはなんとも言えないですが、マックスがびっくりしてるということなら、(ポールポジション獲得は)凄かったということなんでしょうね。