ニコ・ロズベルグは、F1タイトルを手にしてチャンピオンとなった日からわずか5日後に、「マシンを降りる」ことを発表した。状況はだいぶ落ち着きを取り戻したが、果たしてこれは正しいタイミングでの決断だったのだろうか? 英AUTOSPORTの編集者スコット・ミッチェルが考察する。パート1「F1と本人が被るダメージ」に続き、今回はパート2をお送りする。
■F1タイトル獲得直後にF1を去ったドライバーはわずか5人
ロズベルグ以前、タイトル獲得直後にF1を去ったドライバーは4人しかいない。マイク・ホーソーン、ジャッキー・スチュワート、ナイジェル・マンセル、そしてアラン・プロスト。ホーソーンは病に苦しみ、リタイア後の生活を長く楽しむことはできなかった。引退したわずか数カ月後の1959年1月に自動車事故でこの世を去ったのだ。
スチュワートは、チームメイトのフランソワ・セベールがアメリカGP予選走行中の事故で死亡した影響で、同GPの決勝を欠場し、そのまま引退した。
マンセルはインディカーへと転向(ただし1994年にウイリアムズからF1に復帰し、翌年にはマクラーレンへ移籍)。プロストは1年の休養を経て復帰した1993年に4度目のタイトルを獲得、その年の終わりで完全に引退した。彼らは皆、本当に満足した状態で引退したわけではなく、複雑な思いを抱いている。
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