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F1 ニュース

投稿日: 2022.04.05 14:52
更新日: 2022.04.05 15:16

【F1第2戦無線レビュー(1)】アルピーヌのチームメイト争いが激化。アロンソ「このまま行くのはちょっとクレイジーだ」

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F1 | 【F1第2戦無線レビュー(1)】アルピーヌのチームメイト争いが激化。アロンソ「このまま行くのはちょっとクレイジーだ」

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPでは、週末を通してトラブルに悩まされた角田裕毅がスタート前にマシンを降りることになった。一方レースでは、キャリア初のポールポジションを獲得したセルジオ・ペレスが2番手シャルル・ルクレールの逆転を阻止しようとピットストップを行った直後にセーフティカーが導入され、ポジションを落とす展開に。サウジアラビアGP前半を無線とともに振り返る

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 予選でトラブルに見舞われ、最後尾スタートとなった角田裕毅(アルファタウリ)。しかしグリッドに向かう周回で、再び止まってしまう。

角田:エンジンがなくなった
マッティア・スピニ:終わりだ。すべて止めていい

 開幕戦8位入賞と幸先の良い2年目のスタートを切ったが、2戦目は予選、レースで1周も走れない悔しい結果に終わった。

 レース序盤はポールシッターのセルジオ・ペレス(レッドブル)が首位をキープし、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が追う展開となった。

(6周目)フェルスタッペン:ルクレールのリヤライトが点いてない!
ジャンピエロ・ランビアーゼ:機能してないということか?
フェルスタッペン:そうだよ!

 普通ならデプロイが切れた際に点滅するはずが、していないようだ。後続車はこれで先行車の減速の可能性を察知するわけで、点灯しないと最悪の場合追突の恐れもある。

ルクレールの担当エンジニア、マルコス・パドロスが細かく指示を送る。

(4周目)マルコス・パドロス:ここからDRSが使える。ターン6、7、10、それから22でもタイヤをいたわるんだ。フェルスタッペンは1秒5後ろ、ペレスは1秒8前だ

(10周目)ルクレール:高速コーナーの時は、ちょっと黙っててくれ

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 パドロスはそれ以外にも、「タイヤはいい感じだ」と、数周おきにルクレールに伝えていた。ジェッダの高速区間は一瞬のミスも許されないだけに、さすがにウザく感じたのかもしれない。パドロスは、かまわず指示を送り続ける。

(10周目)パドロス:プランAで行く。レッドブルよりデグラデーションがいい

 プランAは1回ストップでミディアムタイヤからハードタイヤに交換ということだろう。

 それに対してペレスの担当エンジニア、ヒュー・バードは、「プランB」を提案した。

バード(→ペレス):いいペースだ。我々はプランBだ

 この場合のプランBとは、結果的になんだったのか。フェラーリに聞かれることを前提に、ブラフを仕掛けた可能性もあった。

 その頃、中団グループでは、6、7番手のアルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが激烈なチームメイトバトルを繰り広げていた。

カレル・ルース:エステバンはコンマ7秒後ろだ。タイヤはどうだ?
アロンソ:本当なら、もっと行けるんだけどね

フェルナンド・アロンソ&エステバン・オコン(アルピーヌ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP フェルナンド・アロンソ&エステバン・オコン(アルピーヌ)

 オコンがプッシュして来なければ、もっとタイヤをセーブできると言いたいのだろう。ただしアロンソの口調には、オコンを非難する感じはない。

(12周目)アロンソ:ちょっとオーバーステアになってきたが、大丈夫だ。

 しかしオコンのプッシュはさらに過激になり、アロンソもさすがに音を上げ始めた。

アロンソ:このまま行くのは、ちょっとクレイジーだよ
ルース:了解した

直後にオコンに対し、「ポジションキープ」の指示が飛び、オコンはまもなくバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に抜かれていった。

 14周目、ルクレールからこんな提案が出た。

ルクレール:ピットインして抜くのはどうだ
パドロス:了解した

 ペレスより先にピットインして、アンダーカットしようというのだ。そして15周目、パドロスから指示が出た。

(15周目)パドロス:ピットインして、オーバーテイクだ

 しかしすぐに、「ステイアウト」が指示された。ペレスがフェラーリの無線を聞いて、先にピットに飛び込んだのだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 ところが直後にニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュ。バーチャルセーフティカー(VSC)、そしてセーフティカー(SC)が導入され、ルクレール、フェルスタッペン、カルロス・サインツ(フェラーリ)らが次々にピットイン。ペレスにとっては最悪のタイミングとなってしまった。それでもコースインしてきたサインツを辛くも抑えて、何とか3番手にとどまった。しかし抜かれたサインツから文句が出た。

サインツ:押し出してきた。FIAがジャッジすべきだ。僕がSCラインの前だったんだから

 映像を見直すと、確かに1mほどサインツが先行している。それにしてもバトルしながら、よく見ていたものだ。ペレスはレース再開直後に順位を譲り、4番手に後退。初ポールからの勝利の目論見は、泡と消えてしまった。

2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)

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(2)に続く


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