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F1 ニュース

投稿日: 2017.01.04 14:17
更新日: 2017.01.04 14:26

フェラーリがサスペンションの疑義提出でメルセデスの2017年新車に打撃の可能性

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F1 | フェラーリがサスペンションの疑義提出でメルセデスの2017年新車に打撃の可能性

 F1のトップチームはメルセデスが先駆けて搭載していたサスペンションシステムを採用しているが、フェラーリが疑義を提出したことによって、2017シーズン前にそのシステムを改訂しなければならなくなるかもしれない。

 タイトル3連覇中のメルセデスは、2014年に四輪のサスペンションを油圧で連動させたFRIC(Front and Rear InterConnected)と呼ばれるサスペンションシステムが使用禁止になったが、その後、FRICに酷似した合法的な油圧システムを開発し、そのシステムによってシャシーの挙動がライバルよりも安定していたと言われている。

 メルセデスはサスペンションの減衰力を安定して車両姿勢をコントロールさせるために、ヒーブと呼ばれるサードエレメントをサスペンションのロッカーの背後に搭載。このサードエレメントの効果は昨年、明らかにはされたが、クリスマス前にフェラーリがFIAにこのシステムのコンセプトについて質問状を送ったことによって、現在はその使用がより詳細に検討されることになった。

PUの出力だけでなく、車両のパフォーマンスが高かった2017年のメルセデスW07
PUの出力だけでなく、車両のパフォーマンスが高かった2017年のメルセデスW07

 フェラーリのこの疑義の提出は、メルセデスだけではなくレッドブルも影響を受ける可能性が高い。レッドブルのシャシーはその空力性能が大きな特長だが、その空力性能はレーキ角と呼ばれる車両姿勢(フロントが沈み、リヤに向けて跳ね上がるフロア姿勢)によって生まれている。そして、そのレーキ角は最新のサスペンションシステムによってコントロールされている。

 もともと、F1チームにとっては、自チームにしろ他チームにしろ、マシンに投入された新しい技術が合法かどうかを確認するために、FIAに質問状を送ることが一般的な流れとなっている。

 フェラーリのチーフデザイナー、シモーネ・レスタは、FIAのF1レースディレクター、チャーリー・ホワイティングに宛てた手紙の中で、彼のチームはマシンのフロントとリヤを物理的に接続することなく、FRICを再現できるシステムを検討していると語った。

 そこで問題となったのは、このシステムがマシンの空力特性を補助する可能性であり、可動式空力装置を事実上禁止するF1の技術規制に違反しているかどうかであった。

「スプリング、ダンパー、イナーターを通しての単純な組み合わせよりも、ホイールに掛かる負荷をより複雑な機能を使って、そのレスポンスを改善できる新しい類いのサスペンションシステムの搭載を検討している」とレスタ。

「いずれの場合も、マシンの車軸ひとつに対してサスペンションロッカーとスプリングがふたつ組み合わされている。そして、前後のサスペンションが直接つながっていなくても、FRICシステムと同様の効果を発揮させることができる」


この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています

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