2017年の新しいF1レギュレーションでは、もっぱら空力面の大きな変更が注目を集めている。だが、背びれのあるエンジンカバーに隠された部分についても、いくつかの重要な変更点がある。
エンジンの開発トークンシステムの廃止に伴い、マニュファクチャラーの出費が高騰するのを防ぐための新たな試みとして、燃料のブレンド、比重、組成が制限されるのだ。
■燃料規則の変更とそれがもたらすチャレンジ
2017年から、チームがノミネートできる燃料ブレンドはシーズンを通じて5種類となり、ひとつのレースの週末に使えるのは、そのうち2種類のみとされる。これまで、使用できるブレンドの種類に制限はなかった。
これによって、予選とレースでエンジンの出力や特性を大幅に変えたりするのは、従来よりも難しくなるだろう。また、チームがサーキットの特性に応じて専用の燃料ブレンドを使う自由も、一定の範囲内に制限されることになる。
メルセデスとペトロナスのように、燃料や潤滑油のサプライヤーとチームの間に密接で安定した関係が築かれていても、このルール変更に向けて、様々な対応を強いられるはずだ。
その意味において、今年から燃料のパートナーが変わったチームは、ルール変更の影響をより強く感じることになるかもしれない。ご存知のように、今季はレッドブルの燃料とオイルのサプライヤーがエクソン・モービルになり、昨年までモービルをパートナーとしていたマクラーレンはBP/カストロールと契約したといわれている。そしてルノーも、トタルとの関係を解消し、BPにスイッチするものと予想されている。
少なくともレッドブルは、これまでモービルがマクラーレンとそのエンジンパートナー、すなわちメルセデスやホンダと共に築いてきた長年の経験の恩恵を受けることができる。
その点、BPには開発ノウハウの面で、3シーズン分の遅れがあるのは確かだ。しかし、特に今後ルノーとトロロッソも陣営に加えることになれば、データベースを急速に充実させていくことは可能だろう。
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています